学校だより「けやき」より

発展するハーバーランド その中で生きる子供たちに幸あれ

九月一日は、ハーバーランドの街開きと新聞は報ずる。 夏の間、何度か総合教育センターに出かけた。その度に、ハーバーランドが変わりつつある姿に驚嘆する。二年間通い慣れた道だが、新鮮な思いで歩く。 初日は、十万人と新聞は報ずる。人、人、人の写真、…

 命の尊さ Y君の作文を通して学んだこと

二月中旬であるのに、もう菜の花が満開と新聞は報じる。ウグイスの初鳴きが聞けたという。例年より半月も早い春の訪れだ。 一年生の植えたチューリップもう大きな芽を伸ばしている。一月の初めから学習園の葉ボタンのとうが立ち、花を咲かせている。 朝の耐…

父の涙

小体連のサッカーの試合が始まった。 冬休みも練習を続け、毎日暗くなるまで練習が続いた。先生も大変だが、子供たちも半袖半ズボンで北風に立ち向かっている。子供たちの意気を感じる。 なかなかの好ゲームを展開している。 六年生チーム強豪湊川多聞チーム…

 いのちの炎を燃やす  病に勝って生きる子ら

湾岸戦争で幕を開け、六十九年間続いたソビエト連邦の消滅で激動の一年間が終わった。そして、一九九二年を迎えた。 いよいよ平成四年から学校五日制が導入されそうである。その第一段階として、幼稚園、小、中、高校とも二学期から月一回、土曜日が休みにな…

 失敗をこえて

校歌を最後に第四回音楽会は幕を閉じた。 秋晴れの下、子供たちの歌声が、合奏の音がハーバーランドに広がった。 「力を合わせ、ひびけ心に」のテーマで本格的な音楽会の練習が始まったのは、四週間前であった。なかなかテーマどおりの練習ができなかった。…

命のかがやき  知らない人生を知るということ

今年の台風は長雨をもたらせた。美しい秋の空を見ることが少なかった。そのせいで、子供たちの楽しみにしていた秋の遠足も延期になった。 台風二十一号が遠く東に去ってから、大陸からの高気圧に覆われ始めてきた。そして、美しい秋の空が広がった。 大陸か…

優しさとは

心配していた台風十七号も、警報の発令もなく過ぎ去っていった。その後を追って十八号がやってきた。子供たちの期待もむなしく、警報の発令もなく、はるか南の海を東に過ぎていった。しかし、十九号二十号が、近畿地方をにらむ。 台風が近づき、過ぎ去るたび…

夏に育つ   −暑い夏を終えて思う−

梅雨が明けたかと思うと、夏空が広がり、三十五度を越す暑さが続いた。しかし、七月の終り頃から、しばらく涼しい日が続いた。立秋が過ぎた頃より、残暑がきびしくなってきた。 この暑さの中、少年野球のメンバーは中央区大会に向けて練習に励んだ。湊Aチー…

 子供を信じること(三)子供の心に問いかける

運動場の紫陽花が雨に濡れて美しい。 昨年の二年生が植えた、西出公園・本町公園の紫陽花が満開とのこと。世話をしてくだっさっている地域の方からの連絡を聞く。 三年生の子からも、「先生、あじさいきれいに咲いてたよ」と報告を受ける。 森林植物園からい…

子供を信じるということ(二)待つということ、信頼するということ

入学して二か月、一年生の子供たちは学校が楽しくてたまらないといった調子である。朝早く教室に入る。学習用具をしまうと、運動場に飛び出す。真っ先に駆けつけるところは、湊ランド。 入学後に見せたあのおどおどした様子はもうない。子供たちは日一日と成…

子供を信じるということ

春四月、すべてが華やかである。花の色、空の青さ、そして若葉の鮮やかな緑。 喜々として子供たちがやってくる。新しい学年、学級、先生、友達そして教室に、大きな期待を込めて。 卒業生が去り、がらんとした四階の教室には、最高学年だという意識に燃えた…

卒業式を前にして 子思う母の気持ち

立春が過ぎると、日一日春めいてくる。校舎の回りにある木々には、春を待つ芽がふくらんでくる。ロウバイは葉より先に枝の節に、香りのよい花を下向きに咲かせている。秋に、一年生が植えたチューリップが、もう五センチも芽を伸ばしている。都会の真ん中に…

母に想う 親の生き方が子供に

一年中で一番寒い時を迎えた。今年は暖かくそうでもないが、朝起きにくい。あと少し暖かい布団の中にいたい思いがする。 こんな時、今は亡き母を思い出す。そうして、「母さんのうた」が自然に口から出てくる。 母さんは夜なべをして 手ぶくろ編んでくれた …

新しいカレンダーに思う生きる美しさとは

一九九一年一月一日朝、いつものように朝日が昇る。昨日と同じ太陽だ。しかし、多くの人々はこの日の出を見るために、朝早く起き、山に登り、初日の出を感動をもって見る。 新しい日記を買う。来る年こそは最後まで書き上げようという決意をもって買う。そし…

生きているからしあわせだ 音楽会を通して感じたこと

空は青く澄みわたり、木々の葉は色づき、美しい日だった。 体育館から子供たちの歌声が、いろいろな楽器の音色が美しいハーモニーとなって、ハーバーランドにひびきわたる。多くの人々に感動を与えた音楽会は終わった。 朝早くから、校舎内にひびいていた先…

ほんとうの喜びとは

夏の暑さと、雨の少なさにへこたれ、枯れかけていた中庭の「なつつばき(別名沙羅の木)」、新しく芽出し、緑の葉も付けてきた。 この木は、昨年の台風で根こそぎ倒れてしまったと聞いた。この夏の暑さと、雨の少なさに、「もうこの木はだめだよ」という声も…

全部土台でつらいけれど運動会の練習で得たもの

やっと、秋になった。九月に入っても三十度を越す暑さが続いた。でも、運動会の練習を始める頃より、空は秋に変わっていった。縦に長い雲が、何時の間にか横に長い雲に変わっていった。 台風十九号が秋を運んできた。「暑さ寒さも彼岸まで」と昔の人はよく言…

夏に鍛える

今年の夏はことに暑かった。毎日三十五度を越す暑さが続いた。 私は八年間、六甲山の裏にある大池小学校にいた。学校の標高は三百五十メートル、六甲山の四合目ぐらいか。この湊小学校のあたりからみれば、平均気温は五度近く低い。だから、夏がこれほど暑い…

大好きな言葉「ありがとう」

六月の初め、一年生と二年生が「がっこうたんけん」をした。二年生が一年生を連れて学校中を案内する。そして、先生やお兄さんお姉さんたちと握手をする。サインをしてもらう。一年生は大喜び、自分が行きたいところへ二年生を引っ張って行く。 その一年生が…

「おはようございます」という言葉

「おじさん、おはようございます。」 と、わざわざ管理員室の戸を開けて、一人の女の子が気持ちのよい朝のあいさつをしてくれた。管理員のおじさんも、私も自然に顔が和らぎ、 「おはよう。」 と返した。気持ちのよい一日のスタートであった。それとともに、…

生きて、躍動する湊の子供たち

着任して三日目、まだ、だれ一人名前を知らない私に、二年生ぐらいの男の子が声をかけてくれた。 「先生、ぼく、やまとです。よろしくお願いします」。 一瞬の時だった。そして、そのまま行ってしまった。声をかけてくれた子の顔も覚えることなく、声もかけ…