本好きな子を育てる(2)

 先月号も書きましたが本好きな子を育てることはしつけを考える上において、子どもに大きな力となります。
 「言葉の力」を身につけるには、学校だけでは十分に身につけることはできません。家庭における毎日の生活が大切になります。特に子どもが少ない今日の家庭では親の役割が大きいです。
 先月は、本好きな子を育てる一つ目のポイントして家族が読書の喜びを体現することが大切であることを述べました。
 そのためには、身近に本を備えるような物的な環境整備すなわち、子どもの身近に本が揃えられ、子どもの身近に読書する人々がいることが大切であることは同然です。
 しかし、それだけでは子どもが本好きになるとは限りません。そこで、子どもを本好きな子にさせるための二つ目のポイントは、読んだ本について子どもが話し、親がそれを聞いてやることです。すなわち、読書を通じての親子や家族どうしの対話を充実させることが大切なのです。
 このことは、読んだ本についてあれこれ感想を言わせたりするようなことを意味しているのではありません。そんな堅苦しいことではなく、自由な親子の対話が、読んだ本をめぐり、より活発に展開される大切さを言っているのです。下手でも親が昔話を話してやったり、本を読んでやったりすることの意義の一つに親子の心の結びつきという重要な働きがあるのです。
 親子や家族同士の対話が充実してくると親子の心が通い合います。忙しい中を人知れず時間を見つけては本を読む親の姿は、さらに子どもを読書へ誘うことになります。
 口先だけで「本を読みなさい」と言いながら、親は本に目を向けず、テレビにばかり目を向けているならば、親と子どもとの間は空回りをしているのみです。
 「言葉の力」を育成するためにも、読書を通しての子どもをしつける上において欠くことができないものです。
「わたしがあなたがたにしたとおりに、あなたがたもするように、わたしはあなたがたに模範を示したのです。」 ヨハネ13章15節 グッドニュース2004年4月「母と子の相談室」より