本好きな子を育てる(1)

 子どもに豊かな人間性を育てるために素晴らしい本に出会わせることは大切なことです。ところが、この頃の子どもたちは読書するよりも、ゲーム機で遊ぶことの方が楽しいようです。
 毎年、夏休みに読書感想文を書くことが多くの学校で行われています。子どもたちが書いた感想文を読むと、いい本に出会い、自分を高める子どもたちも多いことに気づきます。確かに読書をする子どもが少なくなってはいますが、必ずしもすべての子どもが読書離れを起こしているとは言えません。特にこの頃,読書の大切さが見直され、多くの学校で読書に時間をとり、子どもが読書を通して成長している姿も見ます。
 幼い子どもは結構、本(絵本)読むのが好きです。特に母親の膝の上で絵本を読んでもらうのが好きです。この欄で何度か書きましたが、子どもを育てる上においてこのことは大切なことです。
 そもそも、子どもを本好きにさせるのは学校だけではその任は果たせません。学校も家庭も社会もそれぞれ責任を担わなければなりません。ここでは、家庭での任について書いていきます。
 そのために、何よりも家族が読書の喜びを体現し、読書の道案内の役を果たすことが大切です。親が、テレビの面白さばかりに熱中し読書を全くしなければ,子どもに本好きな子を育てることはできません。何よりも家庭の人々が自分の読書を楽しみ、子どもと本を結びつけることが第一歩です。それとともに、昔話や伝記などを話してやったり、より優れた本を選んでしばしば読んで聞かせてやったりすることが大事です。本好きな子をこういう経験を幼いときから体験しています。また、大人になってもそのことを覚えており、次代の子どもを育てるのに大きな役割を演じています。
 このごろ、声優たちが上手に語ったり朗読したりしているものを吹き込んだものがあります。親が下手な話よりもこれらを使ったほうがよさそうに思えますが、そうではありません。親が話してやったり、読んでやったりしてやることに大きな意義があります。母親だけでなく、父親も是非子どもに本を読んで上げましょう。
「私はこれらのことばを、彼らに聞こえるように語りたい。」申命記31章28節 グッドニュース2006年3月号「母と子の相談室」より