朝会の話 94 100年前の戸棚 開校記念日に寄せて

 おはようございます。
 今日は開校記念日です。昨年は開校120周年の記念式をもちました。
 明治6年11月14日、今の多聞寺のところにあった一室をかりて唐櫃小学校が開校しました。それから、今日で121年経ちます。
 現在その頃のことを書いた記録は何も残ってはいませんが、開校した当時の学校の名前は有馬郡第19区唐櫃簡易小学校という名前でした。その時の生徒の数は、男子52名、女子27名合計79名でした。いろいろ調べてみると、6才より14才までの人が学んでいたようです。学年は今のように6年間ではありませんでした。だいたい2年間または3年間ぐらいだったようです。早く、小学校を卒業して、田畑の仕事、山の仕事など家の手伝いをしていたようです。子供だといって遊んではおれなかたようです。
 明治25年9月、今から102年前より唐櫃尋常小学校という名前に代わりました。一応4年間勉強をするようになっていましたが、家の都合で2年間3年間で学校を終了した人もいます。その時に勉強した人の名前を記録したものがあります。ひょっとしたら、皆さん中のおじいさんのまたそのおじいさんの名前もあるかも知れませんね。これが、その記録をしたものです。唐櫃小学校の宝物の一つです。
 もう一つ宝物があります。それは、一番最初にできた学校、有馬郡第19区唐櫃簡易小学校で使っていた戸棚です。多分100年以上も前に作られたものではないかと思われます。
 これには、戸の後ろに「有馬郡第19区唐櫃簡易小学校」という文字が書かれてあり、100年以上も前から使われていたものだと思われます。今、校長室に置いています。また見にきてください。
 今私たちは恵まれた環境で勉強をしていますが、ここに来るまでに多くの人たちの力強い助けがありました。昭和2年、今から66年前に今の北土木事務所のところに出来た校舎はとても素晴らしい校舎でした。皆さんも行った人があるかも知れませんが、人工スキー場があるあたりは、昔から唐櫃の大切な財産でした。そこを、今の阪神電鉄に売って、そのお金で校舎を建てたのです。その時に使われた木材は全部唐櫃の山で育てた杉の木でした。
 その他、多くの人々のお陰で今日があります。そのことをしっかりと覚えておきたいと思います。
 最後に、昨年120周年記念愛唱歌として作っていただいた、「唐櫃がすき」を元気良く歌いましょう。
 これで、開校記念日のお話を終わります。1994年11月14日