ことばのしつけ

 子どもたちを初め中学生高校生の友達同士の話をきいていると、こちらがドキッとする言葉を平気で発しているのを耳にします。親にしてみるとどこでそんな言葉を覚えてきたのかとドキッともします。いくら親しい間柄といってもこれでいいのかなあと思います。
 また、わたしたちのなじみのない言葉が余りにも多いです。「いかつく」「きれる」「むかつく」など、もっと他にわたしの理解に苦しむ言葉も多いです。なぜ、多くの子どもたちが、他人を傷つける言葉を平気で使うようになったのでしょうか。
 これはテレビのせいもあるでしょう。漫才師やタレントの司会者のことば遣いを聞いているとドキッとすることが多いです。また、子どもたちのよくみる漫画のせいもあるかもしれません。
 それだけでなく、子どもたちが携帯電話をよく使うようになり、話し相手の表情を見ないで話す機会が多くなったのもその理由かも知れません。
 それと同時に、敬語や謙譲語などが死語になっている今日の世相が子どもたちに大きな影響を及ぼしている結果も原因の一つかも知れません。
 その他に、最近気になる子どものことば遣いのなかに、単語しか離せない子が多いことです。「ごはん」「お茶」「おやつ」など日常に子どもが使うことばに実の単語が多いです。これは案外大人にも多いのかも知れません。
 それではどうすればよいのでしょうか。具体的の解決の方法はそうありません。ただ一つ、子どもとの会話を増やすことが何より大切ではないでしょうか。少子化のため、きょうだいが少ない現状です。せめて家族内での会話を増やすことが大切ではないでしょうか。家族そろって食事をする機会が減ってきています。しかし、子どもとの会話を増やすには欠くことができない時です。子どもをテーマパークに連れて行くことよりも近所の公園で、山里で、自然の中で子どもとの肌のふれあいを通して子どもとの会話を増やすことに心を配りたいものです。会話の根底は「この言葉が他人の心を傷つけていないか」です。
「愚かな者の口は自分の滅びとなり、そのくちびるは自分のたましいのわなとなる。」箴言18章7節 グッドニュース2006年1月号「母と子の相談室」より