勉強を楽しくするためにー親の役割

 勉強を楽しむことのできる子どもに育てるためには、考えることが楽しい、分かる、できる自信がある、問題を解ける喜びを味合わせることが大切です。考えない、分からない、できない、使えないままで勉強を好きにすることは不可能です。
 わたしは、それほど勉強は好きではありませんでした。しかし、本当に好きになった時があります。それは小学校の中学年の時でした。昔でいう「植木算」の問題を解いていたとき、わたしの父が、わたしの着ていた服でボタンの数と間の数の違いを教えてくれたときでした。それ以来、わたしは算数が好きになりました。
 家庭には、家庭の温かい愛情のあふれる中で、人間として様々な事柄から学んだり、生き方を身につけたりする本来の役割があります。その家庭での機能を十分に活用することが何よりも大切です。
 家庭で叱り付けながら教えたり、「こんなことができないのか」と小言を言ったりしながら教えるのでは、効果がないばかりか勉強が嫌いになってしまいます。
 わたしは、わたしの父のように子どもに教えたかというと、決してそうでなかったと反省しています。だからこそ、つくづく家庭の温かい愛情のあふれる中で教えることの大切さを話せるのです。わたしには、すでに父親になっている子がいます。わたしの真似をせずに、わたしの父のように愛情あふれる父親をしていますので、ほっとします。これから、何回かに分けて、親にできる大切な手助けを記します。
(1) 学校の様子を聞き尽くす
 まず、大切なことは、学校や幼稚園、保育園であったことを、相槌をうったり、感心したり、ほめたり、ちょっと質問したりしながら、話しやすい雰囲気にして聞き尽くし、子どもの頭と心の中を一時的に空っぽにしてやることです。それは、小学校に入学してからでは遅すぎます。幼稚園や保育園時代からしてやりたいものです。
 友達のこと、先生のこと、給食のこと、授業のこと、けんかしたこと、うれしかったこと、悲しかったことなど父親母親に向かって表現する中で、心が豊かに耕されます。これが人間としての土台なのです。
「神はその人の言うことを聞いてくださると、私たちは知っています。」ヨハネ9章31節 グッドニュース2004年7月号「母と子の相談室}より