学習意欲を高めるために 本当の学力とは

 今日子どもの学力低下がいろいろと問題となっています。
 かつての時代は一学級の定員が60名の時代があり、55名、50名、と減っていき、現在は40名学級のとなっています。また、多くの子どもたちが塾に通い、学校以外で学習を積み重ねています。その上、多くの学習参考書、ドリルがあります。お母さんも時間的に余裕があり、子どもに勉強を教えることも十分にできる環境にある子どもも多いです。
 それにもかかわらず、子どもの学力低下が論じられています。なぜでしょうか。
 現在、塾は学校の情報を早く手にいれ、テスト前には、学校でテストの出そうな問題を作成して、それを詰め込みで教えている塾があるそうです。中間テスト、期末テストでいい点をとるための勉強だそうです。はたしてこれが本当の勉強でしょうか。
 わたしが5年生を担任していたとき、円の面積をだすために3時間もかけて円の面積の公式を導き出した経験があります。わたしは、円の面積は「半径×半径×3.14」であることを覚えさせることよりも、なぜ、円の面積は「半径×半径×3.14」で求めることができるのかを学ばせました。これが本当の学力です。
 現在の子どもたちはあまりにも恵まれた環境にあるため、子どもの勉強の姿勢は受身的になり、また、考えるという姿勢の弱体化にという問題が横たわっています。
 計算ができるのに、どうしてそういう計算の仕方をするのかと聞くと全く答えられないようなタイプの子どもたちが増えています。計算問題ならばすらすらと答えられるのに、文章題(応用問題)となるとまったく答えられない子どもも多いようです。
 このようになった原因はひょっとしたら母親が家庭で子どもたちに教える教え方が子どもをだめにし、意欲を失い、学力の低下を招いている可能性があるのかもしれません。母親はすぐに答えを出させたがります。できないと手順だけを先に教え込もうとします。どうしてそうなるのか、じっくり考えさせたいと思います。そこから、勉強の面白さが生まれ、勉強することが楽しくなり、意欲的になるものです。
「愛されている子どもらしく、神にならう者となりなさい。」エペソ5章1節 グッドニュース2004年6月号「母と子の相談室」より