あたたかい言葉を

 電車やバスの中で、大声でしゃべっている中学生や高校生の言葉を聞いてドッキとすることがよくあります。
 友達同士で話し合っている会話の中にも、友達を傷つけているような言葉がどんどん飛び出しています。
 タレントと呼ばれる人の中にも、人を傷つけている言葉を平気で使っている場面を見る時があります。
 子どもたちのに人気があるアニメの主人公の会話にも気になる言葉があります。
 このような環境の中に、子どもは育つのですから、子どもの言葉遣いが悪くなっていくのは当然だと思われます。場合によっては、丁寧な言葉遣いをする子がのけ者にされ、敬遠されるような場合もあります。
 「子どもの言葉は一過性のものであるから、それほど気にしなくてもよい。」と言われる方も多いです。確かに、成長していくに従って、人前では丁寧な言葉を使うようになる人も多いです。
 だからといって、今のままで良いとは言えません。
 学校現場でよくあることですが、いじめ初期段階として言葉の暴力がたいてい見られます。
 親は、子どもの言葉遣いが気になれば、必ず「その言い方は、友達を傷つけていないか」を問う必要があります。これを正しく判断できるのは、小学校の高学年にならなければ難しいです。ですから、「そのことを自分が言われたらどう思うかな」と問う姿勢が親に欲しいです。
 親自身も、この言い方は子どもを傷つけていないかどうかを常に反省する姿勢が必要です。
 それとともに気になることは、単語しか話さない子どもの存在です。何を聞いても単語でしか返ってこない子どもが実に多いです。原因はいろいろ推測されますが、いずれにしろ言葉は、良好な人間関係を保つのに必要なものであり、人間の特質の一つでもあり、思考力を高めるための大切なものです。
 「お母さん、おやつ」ではなく、「お母さん、おやつちょうだい」と言わせるようにしつけて欲しいものです。
「主よ。私の口に見張りを置き、私のくちびるの戸を守ってください。」詩篇141篇3節 グッドニュース2003年4月号「母と子の相談室」より