素直に謝る子に


 子どもたちは、様々なことでよくけんかをします。集団で生活をしているのですから、けんかをするのはあって当然です。
 けんかの原因は、ほとんどが些細なことから始まる場合が多いです。自分が悪いと気がついた時に素直に謝れば、けんかをしなくてすみます。ところが、素直に謝れないために、けんかがよく起きるのです。
 また、学校では、教室で遊んでいて、窓ガラスを割る場合があります。その時に、担任のもとにきます。ところが、私のところにきても、何も言わずにもぞもぞしていているだけの場合が多いです。「どうしたの」と聞くと、やっと口を開き「廊下で遊んでいたら○○君が押してきたので、ガラスが割れました。」とガラスを割ったことより、押してきた友達への不満が顔に表れ、素直に謝ることをしません。
 こんな時、私は子どもに謝り方を教えました。「理由はともかく、まず、迷惑をかけた相手に謝る。その時は、相手を見て、身体をまっすぐにして立ち、しっかり頭を下げて謝る。その後で訳を話す。謝り方がよくないとけんかになることもあるのだよ。」と。
 以上の例から考えると、この頃の子どもたちは案外謝り方が下手なような気がします。子どもたちは家庭で叱られる経験が少なくなっています。それが原因かもしれません。親たちは「これは見逃せない」ということは真剣に叱るとともに、謝り方を襲えていくことが大切ではないでしょうか。
 「ありがとう どうぞ すみません」と三つの言葉が素直に心から口にでるようになれば、家庭生活がひいては社会生活はたいへん楽しいものになります。この三つの言葉の中で、一番言いにくいものは「すみません」です。
 だからこそ、幼い時から、子どもに心から自分の非を謝る習慣を身に付けさせたいものです。そのためには、大人も素直にならなければなりません。母親だけでは不十分です。父親はもちろん家族みんなが、素直に謝る雰囲気を家庭の中にもつことが大切です。
「もし、私たちが自分の罪を言い表すならば、神は真実で正しい方ですから、その罪を赦し、すべての悪から私たちをきよめてくださいます。」  ヨハネの手紙第一1章9節 グッドニュース2003年3月号「母と子の相談室」より