朝会の話 37 始業式 また、春がきました
おはようございます。
3学期の終業式の時は、まだ、風が冷たくて、桜のつぼみも堅く、まだ、春がきていない時でした。でも、それから2週間、この間に気持ちのよい春がやってきました。
春が来た 春がきた どこに来た
山にきた 里にきた 野にも来た
鳥が鳴く 鳥が鳴く どこで鳴く
山で鳴く 里で鳴く 野でも鳴く
この歌のような唐櫃の春ですね。
今日は、平成5年度の始業式です。
この始業式にあたって、私は次の3つのことをお願いいたします。
その一つは、優しい人になろうということです。
3学期のことです。一人の女の子が、よくいたずらをして、友達を困らせている一人の男の子に「○○さん おはよう」と声をかけていたのです。すると、よくいたずらをするその男の子は、にこっと笑って「おはよう」と言いました。とてもうれしそうな顔でした。
私たちは、仲のよい友達に対しては、やさしい言葉づかいをします。、しかし、よくいたずらをする子や嫌いな子には、声もかけずに知らん顔です。
自分の好きな子や、仲のよい子に対して、やさしくする、親切にするだけでは本当のやさしい子ではないのです。
いつも、いじわるをする子、きらいと思う子に対してやさしい言葉をかける、親切にする子こそ、やさしい子なのです。
このことを続けることによって、いたずらをする子が、やさしい子に変わっていきます。きらいと思っていた子が好きな子に変わっていきます。
二つめは、学校を美しくしていこうということです。
みなさんが、学校に来る前にいつもきれいに掃除をしてくださっている人がいるのです。その人は、管理員さんの渡瀬さんと田辺さんです。
ある日、私は掃除をしてくださっている管理員さんに「いつも、いつもきれいに掃除をしてくださってありがとうございます」とお礼を言いました。すると、管理員さんは「唐櫃小学校の子が、学校が好きでいつも喜んで学校にきてくれています。そのみんなが、気持ちよく勉強をしてくれるのがうれしくて掃除をしています」と言ってくださいました。私はその言葉を聞いて本当にうれしく思いました。
ところが、去年こんなことがありました。
廊下にごみくずが落ちていたので、そこを通りかかった子に「あのごみを拾って、ごみ箱に捨てておいてね」と言いました。すると、その男の子は「ぼくが捨てたんと違う」と言って、走って行ってしまいました。私はとても悲しくなりました。
学校を美しくしていこうということは、自分が汚さないようにしていくとともに、自分から進んで美しくしていくことなのです。
三つ目は、自分のよいところを大きく伸ばそうということです。
毎朝、私に会うと、大きな声で「校長先生おはようございます」そして、「ぼく校長先生大好き」と言ってくれる子がいます。私は、その子にこう言ってあげます。「先生も○○君大好き」と言います。その子に会うのがとても楽しみです。
ある日、この子が私に小さい声で「ぼく、勉強好きでないの。走るのも遅いし、勉強もできないの。ぼくのいいところ何もないの。だから、いつも叱られているの」と言いました。
私は、この子に「そんなことないよ。この学校中で一番大きな声で挨拶をするのは、○○君だよ。それがとってもいいところだよ」と言ってあげました。その子はにこっと笑ってくれました。
いいところは、どんな子にも必ずあります。
そのいいところを大きく伸ばしていきましょう。自分のいいところが分からない子は、先生やお友達に聞いてみてください。きっと教えてくださいます。
この1年間、この3つのお願いをよる覚えて、過ごしていきましょう。
1993年4月8日