一人一人の子どものよさをほめよう

先月は、子ども一人一人のよさを認めようというテーマで書きました。
 それぞれの子どもたちのよさや個性をさらに伸ばしていくためには、親が子どものよさや個性を見いだし、上手にほめることが必要です。ほめられることによって子どもは喜びを感じ、自尊心や自らの誇りを持つようになり、生き生きと自分自身のよさや個性を伸ばしていきます。
 しつけについて「七つほめて三つ叱れ」と言われていますが、実際はそれを怠ってはいないでしょうか。親は、もっとたくさん子どもを本気でほめるということを意識的に努力する必要があります。
 子どもを本気でほめるためには、子どもをよく見、その子のよさを伸ばし、よりよい人格の形成を促そうとする姿勢をもつことが欠かせません。そのためには親は、結果だけで子どもの行動を判断するのではなく、その行動を起こした意図を十分に聞いてやることが重要なことです。それは、単に子どもを甘やかしたり、その言いなりになることとは違います。
 私が教師をしていたときに、いつも心得たことは「ほめるとは体全体で喜びを表すことであり、叱るとは体全体で悲しみを表すことである」ということでした。
 どんな小さいことでも、子どもがよさを発揮したとき、私は、子どもを抱きしめて喜びをいっぱい表してやることを心がけていました。親も、言葉だけでなく、体全体で子どもをほめることが大切です。
 ところが「私の子どもはよいことが何もないからほめられない」といわれる方があります。子どものよさを発揮する場がなくては子どもをほめることができません。子どものよさを発揮する場を親が与えることが大切です。
 例えば、子どもに家庭の中で役割を担わせることは有効なことです。家事を手伝った子どもに「一人でこんなことが出きるようになったのね」と親が子どもの成長を心から喜んでいる気持ちを表してみてはどうですか。そのことによって、子どもは「自分は人のために役に立ち誰かに喜んでもらえる存在である」という感覚をもつことになります。
「イエスは、一人の子どもを連れてきて、腕に抱き寄せて、彼らに言われた。」 マルコの福音書9章36節 グッドニュース親と子の相談室より