一人一人の子どもよさを認めよう


今日の教育では、みんな同じ物差しで子どもを評価するのではなく、一人一人の子どもの個性を尊重し、そのよさを評価していこうとする教育が行われています。
 かつては、テストの平均点の比較や、偏差値などに現れる相対的な順位を重視してきました。そのため、子どもの個性を大切にしようとする姿勢が失われ、子どもによい成績を取らせることが親の中心的な関心となっていました。
 また、乳幼児期においても、身長や体重などの身体面の発達、あるいは言葉の習得などの知的発達の面で、他の子どもと比較して一喜一憂する親が少なくはなく、知育に偏った早期教育に走る親も少なくはありません。
 こういって状況は、親と子ども双方に好ましい影響を及ぼしません。子どもの成長に対する親の満足度を国際比較すると、日本の親は「満足」とする者の割合が他国のそれと大きく下回っています。
その原因はいろいろあるでしょうが、親が他の子どもとの比較に目を奪われたり、自分の期待感を優先したりして、子ども一人一人の個性に応じた成長を軽視してしまうことに問題があるのではないでしょうか。
親のその不満感が、子どもの心そのもに影響を及ぼしています。自分についての評価を国際比較すると「勉強のできる子」「友達から人気がある子」「正直な子」「親切な子」など、いずれの項目に関しても「とてもよくあてはまる」と自分を評価する者の割合が最低になっています。このような自尊感情の乏しさは、子供たちの個性が大切にされず、評価されてこなかった結果ではないでしょうか。
 子供一人一人のよさを認め高めていくためには、親は、幼児期から子供の平均値や相対的な順位にとらわれることをやめ、子供一人一人の成長にしっかり目を向け、それを認めていくことです。
 黒柳徹子さんの通っていたトモエ学園の小林校長先生は「君は、本当は、いい子なんだよ」とすべての子どもに言い続けられたそうです。
 どの子にもよい所が必ずあるのです。
「神は、人をご自身のかたちに創造された。」 創世記1章27節  グッドニュー「母と子の相談室より」