自分の行いに責任をもたせよう

 
幼児や小学生・中学生だけでなく大人に至るまで自己中心的な行動が多くみられます。たばこの吸い殻やゴミのボイ捨て。悲しい思いがします。
このような自己中心的な行動が多く見られるその背景には、自分の行いに伴う責任について考えず、自ら律しようとしない「自己責任の考え方の欠如」という問題があります。
 私が勤めていた小学校で、地域の清掃をした時のことです。せっかくきれいにした公園にお菓子のゴミを捨てている子がいましたので、「せっかくきれいにしたのになぜ捨てるの」と聞くと、「ぼくら人の捨てたゴミを拾ったもん、僕が捨てたゴミ他の人が拾えばいいやん」と答えました。
おもちゃで遊んだ一人の子に、「ちゃんとお片づけしなさいよ」と話すと「ぼくだけ散らかしたんやない」と言って出ていってしまいました。
このような姿を見るととても情けなくなります。
様々な人間の徳性どのように獲得されるかを調査した結果によると、日本の高校生はアメリカに比して、家庭の日常生活の中で父親や母親から学ぶことが少ないという傾向が見られます。特に「自分の責任を果たす」「自分勝手なことはしない」といったことについて顕著です。
 また、五歳児のしつけについても「行儀よく食事が出きる」「遊んだ後の片づけが出きる」といった基本的なしつけが十分になされていない傾向が見られます。
こうした調査をみてみると、我が国では自分のことは自分でするという習慣を身につけさせ、責任感をもたせるようなしつけが十分になされておらず、子どもを甘やかしがちな親が多いということを示唆しています。
「自分のことは自分でする」「他人に迷惑をかけない」といったことを繰り返し教え、自分の責任に気づかせるしつけを積極的に押し進めてほしいものです。
 「それをあなたがたの子どもたちに教えなさい。あなたが家にすわっている ときも、道を歩くときも、寝るときも、起きるときも、それを唱えるように。」  申命記第11章19節 グッドニュース「母と子の相談室」より