学校のことを話さない子

 「新学期に入って、子どもは元気で学校に行っているのですが、学校であったことを話したがりません。学校でどんなことがあったか、いろいろ知りたいと思いますが、どうすればいいのでしょうか。」という質問が来ました。これについてわたしは次のように答えました。ご参考にしてください。
答え
 子どもが学校から帰って来るなり、お母さんは
「今日、学校どうだった?しっかり勉強した?友達と仲良くした?先生に叱られなかった?」とやつぎばやに問いかけます。家で学校での子どもの様子が気になってられるお母さんにしてみれば当然のことです。しかし、子どもは「別に。」と答えて遊びに行ってしまいます。子どもにしてみれば、寝転ぶことも、おやつを食べることも、まんがを見ることも出来ない学校で一日過ごして来たのに、また、家で学校のことを聞かれると嫌になってしまいます。ですから、「別に」という言葉で逃げてしまいます。子どもにしてみれば当然のことです。
 そこで、子どもから語りかけるの待つ姿勢を持つことが何よりも大切になります。
 子どもが学校から帰ってくれば、
「やっちゃん、お帰り。やっちゃんの好きなお菓子があるよ。お母さんと一緒に食べましょうね。」というところからスタートです。学校のことは何も聞きません。ほっと一息つくと子どもは何か言いかけます。それまで待つのです。
「今日、ほんまに腹が立ったん。」と学校で何かがあると、子どもから言葉が出てきます。 ここで、焦ってはいけません。お母さんは「そう、腹が立ったの。」と軽く受け止めてやります。すると、子どもは「ずっと、ぼく手を挙げているのに、先生ぼくを当ててくれないいんだ。」「そう、先生、やっちゃんを当ててくれないの。」「ぼく、ちゃんと分かっているのに。別な子ばかり当てるんだ。」「そう、やっちゃんは分かっていたの。」「ぼくね、一番に分かったんだよ。」「そう、やっちゃん一番で分かったの。すごいね。」
 このように、子どもの言葉をお母さんがしっかりと受け止めてやり、やんわりとその言葉を子どもに返してやるのです。言葉のキャッチボールをするのです。お母さんは子供にやんわりと、受けやすいボールを投げ返してやるのです。決して強いボールや受けにくいボールを返さないことです。子どもは、自分で解決していきます。
「わたしのもとにきなさい。あなたがたを休ませてあげよう。」マタイ11章28節 これが、解決の鍵です。