飽きっぽい子

 
 次のような問いが来ました。「小学校三年生の子どもですが、何にでも飽きっぽく、長続きしません。どうしたらよいでしょうか。」それに対して次のように返答しました。ご参考にしてください。

 中学年の子どもは学校生活にも慣れ、友達関係も豊かになり、いろいろなことに対して興味がわき、何でもやってみたい年頃でです。中学年に限らず、友達も多く、いろいろなことを挑戦してみたいと願っている子どもには、このような傾向があります。
 私は、このような子は、決して飽きっぽい子であるとは思いません。それよりも、何ごとにも興味があり、それに対して積極的に取り組む子としてとらえます。
 どのような子どもに対しても、子どもの行動をマイナス的にとらえないで、常にプラス的にとらえていくことが何よりも大切なことです。教師も親もこのような眼で子どもを見つめることによって、子どもは大きく成長します。
 だから、まず、「やっちゃん、野球をやり始めたばかりだのに、今度はサッカーをやりたい。本当に飽きっぽいのね」と言うよりも、「やっちゃん、サッカーもやってみたいの。すごいね。野球もできる、サッカーもできる、いっぱいしたいことがあるのね。お母さんとても楽しみだなあ」と言って子どもの意欲を認めてください。
 子どもの個性は、いろいろなことを経験することによって、引き出されていくのです。
 次に、子どもが興味を感じ、それを家の人に自慢した時には、しっかりと励ましてください。例えば「お母さん、今日ね、ぼくシュートしたんだよ。もうちょっとで一点入るとこだったんだよ」と自慢した時には「やっちゃんはすごいなあ。野球もすごいし、サッカーもすごいんだなあ」と。
 子どもはまだまだ未成熟です。だからこそ可能性があるのです。その可能性を見出だし、それを引き出し、伸ばすのは親の仕事であり教師の仕事なのです。そのためには、何よりも子どもの意欲を認め、励まし、褒め、そして満足感を与えてほしいです。
 聖書の中に、イスラエルの王になった羊飼いの少年ダビデのことが書かれています。サムエルは「血色のよい、目のきれいな、姿の美しい」ダビデを見て、彼に油をそそぎました。(サムエル記上第16章12,13節)
 興味を感じ、それに懸命に取り組んでいるどもは「血色のよい、目のきれいな、美しい」姿をしています。そこにこそ、素晴らしい可能性が隠されています。