1343698646のびのびとした子を育てる生活習慣づくり(5)


 先月号では、社会生活を営むわたしたちはお互いに感謝の念をもつことは欠くことのできないものであることを述べました。
 「ありがとう」という言葉は短い言葉です。しかし、この言葉がないと冷たい人間関係を送ることになります。温かい人間関係を作る上にとって「ありがとう」という言葉は欠くことのできない言葉です。
 わたしが一年生を担任している時に、様々な事柄をとおして「ありがとう」という言葉を使うように指導しました。
 入学当初は様々な身体検査や校医さんの診察があります。その際に「ありがとう」の言葉を使うことを指導したのです。いろいろと世話をしてくださる方々に対して気軽に使えるように教えました。その言葉を入学して間もない一年生の子どもが使うと誰もにっこりとします。
 ある時、校医先生に予防注射をしていただきました。幼い子にとって注射は苦手なものです。涙を流しながら「ありがとう」という子どもたちは本当にかわいらしいものです。
 大変注射が嫌な女の子が注射をしてもらうようになりました。保健室に入るなりその子は「注射はいや。校長先生が言ったって絶対にいや」と泣き叫びわたしの手を放そうとします。ほとんどの子は校医先生の前に立つと泣きながらでもあきらめるのですが。その子はあきらめようとしません。泣き叫ぶその子を二人かがりで抑えて注射をしました。そして泣きながら「ありがとう」というのです。校医先生もわたしたちもにっこり。わたしはその子をしっかりと抱きしめ、「えらかったね」と。
 同じ一年生を担任した時に、いつも「ありがとう」という男の子を担任しました。その子はわたしが驚くほど「ありがとう」と言うのです。宿題にプリントを渡した時にも、給食を受け取る時にも「ありがとう」と。なぜ、この子がこれほど気軽に「ありがとう」ということができるのだろうと思いました。その理由はその子のお母さんとの会話の時にはっきりとしました。お母さんも「ありがとうございます」と気軽に言われるのです。母親がその子を育てたのです。
「すべての事について、感謝しなさい。これが、…神があなたがたに望んでおられることです。」テサロニケ一5章18節