しつけを考える  整理整頓

 兵庫県では1980年頃から、小学校5年生が、5泊6日、家庭から離れて自然の中で生活させる自然学校という制度をもっています。スタート時点では、親にとっても子どもにとってもまた、学校にとっても心配なことが多かったのですが、今日では軌道にのり、子どもたちも大変期待しています。
 私も、在職中に何度か参加いたしました。夜になると家に帰りたいと泣き出す子もいました。その時に一番気になったことは、後片付けができない子が多いということでした。自分が着替えたものを、バックの中に突っ込む子はまだいいのですが、脱ぎ放しのままにしている子が実に多いということに驚きました。家庭ならばお母さんがしてくださるでしょうが、ここではそういうわけにはいきません。担任が注意をして自分で片付けるようにさせざるを得ません。中には、着替えたものは、きちんと別の袋に入れてバックの中にしまう子も何人かはいました。
 自分の身の回りを整理整頓することは、子どものみならず大人にとっても大変難しいことです。私も家内からよく注意を受けます。確かにきちんと整理整頓をすれば気持ちもいいし、次のことがスムーズにできます。また、整理整頓はすればいいのですが、かといってしなければ生きていけないものでもありません。家の中で散らかしていても他人に見られるわけでもありません。誰しもお客様が来るからと慌てて掃除をする体験があります。
 子どもが整理整頓できないといって頭ごなしに叱ることを避け(親も十分にできないのですから)、整理整頓ができるように、周りを整えていくことが大切です。たとえば、子どもが着替える場合、着替えた物はこのバックに入れるとか、おもちゃ箱をちゃんと準備し、遊び終わったものはおもちゃ箱に入れるとか、バックとかおもちゃ箱を前もって準備してやることが大切です。それと同時にきちんとできたときは「一人でよくできたね」と共に喜び達成感を与えることも大切です。
「あなたの子どもたちの中に、‥‥真理のうちを歩んでいる人たちがあるのを知って、私は非常に喜んでいます」
  ヨハネ第二4節 グッドニュース2005年11月号「母と子の相談室」より