朝会の話 91 ありがとうという言葉

 おはようございます。
 15日の朝のことでした。お母さんが黄色い旗を持って私たちが事故なく渡れるように交通当番をしてくださっていました。お母さんは、「おはようございます」と言ってくださっていました。何人かの子は、「おはようございます」と言ってくれていました。ところが、ある女の子は「ありがとう」と言っていました。少し声が小さかったのが残念でしたが、先生はとても嬉しく思いました。もっと大きな声で、「おはようございます」とか「ありがとう」と言ってくれるともっとうれしいなあと思いました。
 先生は長田区の丸山という所に住んでいます。丸山の人たちは、神戸市バスをよく使います。丸山小学校の子供たちは、バスから降りる時に「ありがとう」と大きな声で言います。一緒に乗っていてとても気持ちがいいです。先生もこの丸山小学校の子のよう真似をして、「ありがとうございました」と言っています。初めは恥ずかしいなあと思っていましたが、今では「ありがとうございました」と言わないと気持ちが落ち着きません。
 先生が1年生を教えた時に、やっくんという男の子がいました。やっくんはとても「ありがとう」という言葉が大好きでした。お手紙を渡しても「ありがとう」プリントを渡しても「ありがとう」給食を配っても「ありがとう」と言います。お勉強の分からない所を教えてあげると、「ありがとう」と言います。聞いていてとても気持ちがいいです。
 ある時、プリントを隣の学級に持って行ってもらいました。やっくんが帰ってきたので、先生は「やっくん、ありがとう」と言いました。すると、しばらく黙っています。何かを考えているようです。そして、ある言葉を言ったのです。みなさんやっくんはどんな言葉を言ったと思いますか。そうです。「どういたしまして」という言葉を言ったのです。
 先生は、反省しました。やっくんからいつも「ありがとう」と言ってもらっているのに、何も返事をしなかったです。これからは、「ありがとう」と言ってくれたら「どういたしまして」と言おうと思いました。
 先生は、「ありがとう」という言葉が大好きです。先生の奥さんにもよく「ありがとう」と言います。先生の奥さんは「そんなことなんか言わなくてもいいのに」と言いますが、やっぱり「ありがとう」という言葉を使うととても気持ちがいいです。
 朝の「おはようございます」も大好きな言葉です。また「ありがとう」もとても大好きな言葉です。大きな声で「おはようございます」「ありがとう」という言葉をいっぱいにしましょうね。
 外国では「ありがとう」のことばをよく使います。みなさんも「サンキュウー」という言葉をよく聞くと思います。新幹線にのると英語でアナウンスがあります。必ず最後に「サンキュウー」という言葉を使います。中国では「しぇしぇ」韓国では「カムサハムニダ」と言います。バングラデイシュでは「ドンノバード」と言います。言葉が自由に言えない人は手話でこのようにします。
 唐櫃小学校も唐櫃の町も「ありがとう」でいっぱいにしたいですね。1994年10月17日