母と子の相談室

  読書を通して家族のふれあいを
 
幼い頃お母さんやおばあさんからおとぎ話を聞いたこと、お小遣いをためて本を買ったこと、貸本屋さんに通ったことなどが懐かしく思い出されます。
 物語を聞いたり読んだりすることは、子どもの想像力をたくましくします。いろいろと連想しながら読み進めます。
 読書は、子どもの心を限りなく開き、想像を膨らませ豊かにしてくれます。また、登場人物の言動に心を痛めたり、正義感に心うたれたりもします。自分と異なる主人公の生き方に接し、多様な生き方や考え方があることが知らされ、自分の世界が膨らんでいきます。
 ところが、今日映像が一般的になり、子どもは読書の素晴らしさを味わうこともなく、成長してしまうような現状です。
 ちょうど、今年は「子ども読書年」であり、学校だけでなく、家庭でも積極的に取り組んでほしいと文部省は言っています。
 子どもの読書意欲をうながすためには、幼少時から読書を習慣づけることが大切です。そのための家庭での役割が大きいです。
 子どもを本好きにするためには、たとえ、一回の時間は少なくとも、毎日、本を読み聞かせることが一番効果的です。例えば、食事の時間、昼寝の時間などと同じように「本の時間」を設けて本を読み聞かせるといったことからはじめていくことが大切です。
文字を知らない幼児でも、また、文字は読めても、内容を理解することが難しい低学年の子どもたちでも、読み聞かせなら、本と出会うことができ、その世界を楽しむことができます。また、読むことがめんどうで、読書好きになれない子どもたちや、本のおもしろさを知らない子どもたちも、読み聞かせによって、本の素晴らしさを体験することができます。
 子どもが一番安心するのは家庭です。信頼している大人とゆったりとした時間を過ごすことは、子どもの情操をはぐくむ上で何より大切なことです。子どもは何歳になっても読んでもらうのが大好きです。「もういいよ」と言われるまでその時間を大切にしてほしいものです。
「主の言葉を、読み聞かせよ。そうすれば、彼らは、悪の道から立ち返る。」 エレミヤ書36章6節〜7節抜粋
グッドニュース2000年12月号「母と子の相談室)より