塾よりも自然体験や生活体験を

今年(2000年)から算数や理科では、教科書に載っているのに学校では教えないところがありますので、お母さんが心配されるのも無理はありません。(2001年からはもっと多くなります)
2002年から、教育内容が大きく変わります。共通に学ぶ知識の量は今までと比べて減りますが、自分で学ぼうとする意欲や学び方をしっかり身に付けさせるようになります。
 一昨年文部省が調査した「学校教育に関する意識調査」によりますと、現在の小学生の約三割、中学生では約五割が学校の授業が半分以上理解できていないという現状です。
これは、これまでは知識を一方的に教え込む教育になりがちで、子どもたちが十分その内容を自分のものとして身に付けないまま、授業が先に進んでいくというようなことが原因であったと考えられます。
 そのため、これからの教育は、教える内容を厳選し、子どもたちがゆとりをもって学習し、その内容を確実に身に付けられるようになります。と同時に、子ども自身が学びたいと思うことは、どしどし学習できるような時間の設定も各学校で時間割を工夫するよう変わります。
さて、塾に行って、子どもが何か一つの目標に向かって勉強すること自体は大切なことと思います。ただ、仮にそうだとしても、机にかじりついて勉強ばかりしていてはだめだと思います。子ども頃に様々な経験をしたほうが将来的に大きな力となっていくのではないでしょうか。
 勉強ばかりしていて、親子がテストの成績に一喜一憂していたのでは、家庭が暗くなってしまいます。小学生ではまだ、心も体も発達途中にありますから、夜遅くまで塾に通って寝不足が続くと、心と体のバランスが崩れて、子どもの健全な成長・発達に悪影響をもたらします。
 むしろ、子どもうちは、友達や近所の人たちといろいろな経験を積んだり自然体験をすることが必要です。また、家事の手伝いをするのも大事なことです。
 これからは、頭でっかちの大人になるより、個性豊かで人間味にあふれた大人になってほしいと思います。
「幼子は成長し、強くなり、知恵に満ちていった。神の恵みがその上にあった。」 ルカ2章40節
グッドニュース2000年10月号「母と子の相談室」より