子どもたちに自然体験を

 
自然体験によって、子どもたちは自然の美しさ、神秘性、厳しさなどにふれ、感動や驚きを覚えるとともに、自然や環境への理解を深めていきます。また、年齢の異なる集団の中で行われる自然体験活動により、思いやり、自主性、協調性、忍耐力、社会性などがいっそう豊かに養われていきます。
しかし、今日の子どもたちについては、自然体験が著しく不足してきています。ある調査によれば、「高さ千メートル以上の山に歩いて登ったこと」、「野外でテントに寝たこと」が一回もない子どもが六十パーセント以上おり、自然の中で遊んだり、生き物とかかわったりする様々な自然体験が年を追うにつれて乏しくなってきています。
驚くことに「日の出や日の入りを見たことがない」43パーセント「自分の身長より高い木に登ったりしたことがない」27パーセントなど子どもたちの自然体験が失われてきています。
かつての時代とは異なり、そのまま放っておいても子どもたちが自然の中で豊かな体験をもつようなことにはならない時代です。それ故、親や社会が意図的に子どもたちに自然体験を促しいかなければなりません。
ところが、親や社会はせっかく自然体験をさせていても、危険だからといってあえて避けています。それでは、子どもの自然体験が奪われるばかりです。
兵庫県では小学校5年生が全員5泊6日で自然の中での宿泊訓練をさせています。親元を離れて生活するのですから、子どもも親も不安な面もありますが、この経験を通して子どもたちは大きく成長しています。私も子どもたちと共に生活をしてみて子どもの成長に感動いたしました。(学校の教師は大変ですが)
聖書の中に「神はお造りになったすべてのものをご覧になった。見よ。それは非常に良かった。」という言葉があります。神が私たちのために創造されたこのすばらしい自然を十分に生かし、子どもの心を育てていきたいものです。
「私は山に向かって目を上げる。私の助けは、どこから来るのであろうか。
 私の助けは、天地を造られた主から来る。」詩篇121篇1・2節
グッドニュース2000年4月号「母と子の相談室」より