父親の役割 二

 二十一世紀を展望した教育の在り方について中央教育審議会は第一次答申の中で「これからの教育はゆとりの中で生きる力を育成することを大切にします」と述べています。また「教育の出発点であり、基本的な倫理観を養い、しつけを行う場である家庭の教育力を充実することが必要である」とも述べています。
 かつては、子どもの教育は母親だけで十分であると思われてきました。しかし、生きる力を子どもに培うためにはどうしても父親としての役割を十分に果たさなければなりません。
答申の中で特に父親に対して「家庭教育に対する責任を自覚し、家族と一緒に過ごせる時間を確保することを望みます」とも述べています。この点からも父親は奥さんからの相談に応えなければならないと思います。
 それだけではありません。今日核家族化が進み母親が子育てについて気軽に相談する機会が少なくなってきています。それだけに母親の相談相手としての父親の役割は増大してきています。父親の支えがない場合には、母親は子育ての悩みをもちながら孤立し、その不安やイライラから子供にそのストレスを向けてしまうことが多いです。この点からも奥さんからの相談に応えなければならないと思います。
 しかし、ほとんどの父親は多忙でなかなか母親の相談にのって適切なアドバイ
スをするだけの時間や気持ちの余裕がないのは事実ですが、最近の子どもの状況を見るときに、子どもの将来のためにも父親は母親を支えることがますます大切になってきています。
 とはいっても、すぐに適切な助言ができるものではありません。そこで、相談をもちかけられたときには、まずよく話を聞くことから始めてください。そうすることによってそのときの子どもの様子を知ることができますし、母親は話を聞いてもらうことで孤立感をもつことなく子どもに関わることができます。
 聖書には、家長がまず第一にするべきことは神様の前に礼拝を献げることであり、第二は家族のためにみ天幕を準備することであり、第三は井戸を掘ること(仕事)であると書かれています。 創世記第26章25節参照
伝道トラクト グッドニュース「母と子の相談室」より