ひとりっ子のしつけ

 
 「私には子どもが一人しかいません。ひとりっ子は様々な面で気をつけなければならないことがあると聞きますがどんなことでしょうか。」ろいう質問に次のように答えました。参考にしてください。
 いろいろな理由で今日ひとりっ子の家庭が多いです。それだけでなく、ふたりっ子の家庭の場合も、年齢が離れていたり、一人は男の子、後の一人は女の子であったりしてひとりっ子的の子どもも多いです。
 ひとりっ子にとって学校は大人以外の人間とつき合う場です。家庭では自分でだけに注目してくれる人がいて、自分中心の生活ができますが、学校では同年代の多くの子どもたちがいる世界です。そのため、様々な問題が起こりやすいです。
・きょうだいのいる子どもであれば、お互いに言い合いをしたりふざけててたたき合ったり取っ組み合いのけんかをしたりしますが、ひとりっ子はそのような経験がないので、友達に言われた強い言葉やたたかれたことなどに心を深く傷つけられます。
・ひとりっ子は家ではいつも大人と一緒にいるせいか、教室にいるただ一人の大人である教師といると安心します。特に、低学年の子ほどその傾向が強いです。友達とトラブルが起きると、すぐ教師の所に逃げ込みます。また、教師に常に甘えたり、手をつないでもらいたがります。
 この他にもまだいろいろなことがあります。それについては、また来月号に回すとして、このような、ひとりっ子の弱点を克服するには、何よりも大切なことは、ごく幼い時から、同年齢の子どもたちとできるだけ多く接触させることです。ひとりっ子に欠けているのは、子どもだけの時間と空間です。
 この時に重要なことは、親が子ども同士の遊びの中に出ていかないことです。子ども同士が取っ組み合いのけんかをしても、なぐりあいをしても、たいしたけがをするわけではありません。
 友達を家に呼んだり、友達の家に遊びに行かせることも素晴らしい経験です。
 昔は親戚の家に泊まりに行くことも多かったですが、最近は親戚づきあいもわずらわしいと感じている親も多いです。でもこのような機会は、いとこ同士と遊ぶよい機会になります。お互いに家庭をもっと開放するのがよいでしょう。
 近くに教会があれば、どこでも子どもの集いがもたれています。是非そこにも通わせることもよいでしょう。
「小さい者のひとりが滅びることは、天にいますあなたがたの父のみこころではない」マタイによる福音書18章14節