朝会の話19 彼岸花

 この花は彼岸花といいます。これは、秋のお彼岸、秋分の日の頃に必ず咲きます。赤い花でよく目立ちます。田畑の周りにたくさん群れをなして咲きます。
 この花はチューリップやスイセンのように球根で咲く花です。ところが、不思議なことに、チューリップやヒヤシンスは転校や気温の影響を受けて花が咲くのが早くなったり、遅くなったりしますが、彼岸花は転校や気温の変化に影響なくお彼岸の頃になると必ず咲きます。なぜ、このようにお彼岸の頃に咲くのか研究をした人がいますが、まだその訳がはっきり分かりません。
 子の花は、不思議なことに、茎と花だけです。しかし、よく観察をしていくと、花の咲いている時は葉がなく、葉がある時は花はないのです。花が枯れてしまった10月ごろから葉が大きくなります。だから、石川県地方では、この花をハミズハナミズとも呼ばれています。
 先生の子どもの頃、この球根から糊を作っていました。これで作った糊はひっつく力がとても強いのです。ですから、戦争中気球を作るときはこれで作った糊を使いました。
 また、この糊を使うと虫にくわれることがないので、ふすま紙を張る時に使っていました。
 また、この球根には毒があると言われています。ですから、もぐらや野ねずみから田畑を守るために、田畑の周りにこれを植えたといわれています。
 秋の初めに野を彩る彼岸花、この花を見ると自然の営みの素晴らしさを感じます。
 今日は「彼岸花」のお話でした。1994年10月5日