朝会の話13 魚の住み家を守ろう

 おはようございます。
 明治の初め、今から125年余り前に、外国より牛肉を食べる習慣が伝わってききましたが、それより昔は日本の人たちは主に魚を食べていました。今でも、日本人で一番多く食べる肉は魚です。お寿司にして食べたり、お刺身にしたり、焼いたり、炊いたりして食べます。日本人はとてもお魚が好きです。
 日本は、回りが海に囲まれているため、魚も多くとれ、いろいろな種類の魚がとれます。とてもいい国です。
 ところが、今頃困った問題が起こっています。それは、日本の回りの海から魚のとれる量がぐんぐん減ってきているのです。
 この前、テレビで見たことですが、底引き網で魚をとろうとしましたが、それにひっかかったものは、魚はわずかでした。その代わりに空きビンや空き缶、木ぎれやコンクリートの固まり、ビニルなどが沢山網にひっかかっていました。海の底にカメラを入れて底の様子を調べてみると、海の底はごみだらけでした。
 これでは、大切な魚の住み家がなくなるだけでなく、卵を産むこともできません。魚のとれ高が減ってくるのは当たり前です。
 それでは、一体このゴミはどこからくるのでしょうか。
 私たちが住むこの唐櫃の町は海から遠く離れているから、私たちには関係がないと思うかも知れませんが、そうではありません。
 この唐櫃は、大阪湾に流れ込む武庫川の最上流です。
 皆さんが、この唐櫃の町で空き缶を捨てたとしましょう。雨が降ると、小さな溝に落ち、有馬街道沿いにある有野川に流れ込みます。そして、武庫川に流れ込み、そして大阪湾に流れ、魚の一杯いる瀬戸内海にいってしまいます。一つや二つだけではありません。あちらこちらから、いっぱい集まり大変なことになってしまいます。
 この土曜日に地区別児童会があります。その時にこの唐櫃からゴミをなくそうということで通学路、広場、家の回りのゴミを拾っていくことになっています。このようなことをして、私たちの小さな手で、魚の住み家をこわさないようにしていきましょう。
 なお、空き缶はそのままにするとゴミになってしまいます。しかし、集めて回収していくと、もう一度利用できます。この学校でも空き缶回収をしています。空き缶は捨てないで回収して資源の再利用に力を注ぎましょう。
 今日は魚の住み家を守ろうというお話でした。1992年7月13日