勉強がいやに なってしまった子 2

              
 子どもが勉強しなくなるのは、教師が原因である場合や親が原因である場合があります。ここでは親のことについて考えてみます。
 わたしが担任していた一年生の女の子、とても明るく元気のよい子でした。勉強も意欲的にしていました。
 ところが、ある朝、涙をいっぱいためて学校にきました。いつものように明るい朝の挨拶もなく、元気もありません。理由を聞くと、お父さんとお母さんが言い合いをしお母さんが家を出ていったというのです。その日から、彼女は遊んでいても勉強をしていても全く元気がありません。宿題も十分にできない時もありました。なんとか元気を出させようといろいろ工夫しましたがだめでした。
 ところが、二週間ほどたったある朝、彼女の明るい朝の挨拶がもどってきました。お母さんが帰ってきたのです。お父さんと仲直りしたのです。その日から元のような明るく元気がよい子にもどっていきました。
 このように家庭内の不和から勉強ができなくなる場合が数多くあります。親の離婚の問題で苦しむ子ども、父親が暴力をふるうので落ち着いて勉強ができない子ども、両親の不仲を悲しむ子ども、それらの子どもたちはいくら勉強をしたいと思っていてもできない状況に置かれています。その子たちの話を聞くと、「いくら勉強しようと思っても、お父さんやお母さんのことが気になり、勉強に集中できない」と言います。
 また、親の名誉欲や功名心で子どもの思いとはかけ離れたことを親は子どもに要求し、子ども自身が悩んでいる場合もあります。これも、勉強が嫌になる大きな原因になります。
 このような事例から考えてみると、子どもが勉強嫌いになる大きな原因は、子ども自身ではなく親の問題が多いです。 子どもが勉強をしなくなった場合、まず、親自身に問題がないか振り返ってください。
「自分の家族を煩わせる者は風を相続し、知恵ある者は人の心をとらえる。」箴言 第11章29〜30節