お母さんは間違っていませんか11 一日に一回は家族そろって食事を

 ここしばらく食の問題を取り上げています。現在の子どもたちの状況をみるたびに食の問題が大切であることをつくづく感じます。
 かつての時代は、親たちは時間をかけて準備をし、多くの子どもたちのために、一所懸命に食事を作ってくれていました。
 親の、この愛情が子どもの人間形成に大きな影響を及ぼしていたのです。
 少子化が叫ばれてもう三十年以上は経ています。その傾向はますます深刻になっています。親にしてみれば、食事の準備は楽になったはずです。それだけではありません。調理器具が、大変便利になってきています。ですから、食事をつくる時間は少なくてすむはずです。
 ところが、その短くなった時間さえ少なくてすむように、コンビニや百貨店では、様々なお弁当が売っています。お惣菜まで売っている状況です。親が時間と手数をかけて作るよりおいしいものができているのかも知れません。
 かつてのように、親が食事の準備に時間をかけてつくることがなくなってしまいました。ここに大きな落とし穴があるのです。
 私たちは自分の毎日の食物、調理法、味の好みを企業にまかせているのです。
 その上に、生活時間にずれができ、個食が増え、家庭全員が集まって楽しいはずの食事の時間が守らなくなってきています。夜更かしの家庭が多くなり、朝食抜きの子どもたちがふえ、一日の一番大切な朝食がおろそかにされています。
 お母さん、お父さん、いくら忙しくてもせめて一日一回は家族全員集まって、家族みんなで作った食事をいただけるようにしてくださいませんでしょうか。その時にこそ「いただきます」「ごちそうさま」「ああ、おいしい」そして、家庭内の楽しい会話、「きょうね、学校で‥‥」「今日、僕ね‥‥」。テレビなんか見なくても楽しい夕食の時になるにちがいありません。
 こういう生活に満ち足りれば、歩きながら食べる姿も、コンビニの前で座り込んで食べる姿も見なくなるはずです。それだけではありません。子どもたちの犯罪も、悲しい出来事もなくなるはずです。
「喜びと真心をもって食事を共にし、神を賛美し、すべての人に好意を持たれた。」    使徒2章46,47節