のびのびとした子を育てる生活習慣づくり(16)

 小学生時代は、何よりも学習の楽しさを味あわせることが大切であることを先月から述べています。子どもの持ち帰ったプリントを是非、子どもを叱る材料として用いずに子どもを誉める材料として使ってくださいと先月は述べました。
 それとともに大切なことは、きょうだいとの比較を決してされないようにしてください。「お姉ちゃんはいつも九十点以上だったよ」と子どもを励ます意味で用いられることがあります。これは決して子どもを励ますことにはなりません。
子どもにはそれぞれ個性があります。だから違いがあって当たり前なのです。たとえ学習面は劣っていたとしても必ず別な面で優れている面があるはずです。それを見つけるのが親の大切な仕事です。
 また、親の自慢話を決してされないようにしてください。それよりも親の失敗話をしてあげてください。その失敗からどう立ちあがったかということを話してあげてください。例えば「お母さんは漢字を覚えるのがとても苦手だったのよ。よく間違えていたのよ。だから、間違えた漢字を何度も何度もノートに書いて覚えたのよ。そのノートを自由勉強として先生に出したら、先生に褒められたのよ。だから漢字が得意になったのよ」と。子どもはその親の話に自分の姿を映し出します。そして親に親しみを持つと同時に自分もやってみようという気になります。
 学校から持ち帰ったプリントを使って間違っているところを子ども一緒にもう一度やってみましょう。案外子どもだけの力で間違いを直すことができるものです。その時はしっかりと子どもを誉めてください。分からないところは教科書を見たり、お母さんが教えてあげたりしてあげてください。それをノートに貼ってあげてください。宿題の一つとして提出するようしてあげるといいでしょう。担任の先生に認めてもらうとより意欲が高まります。
 私が現職で担任をしていたときには必ずそういうノートを見てあげていました。そして必ず褒め言葉を書いていました。子どもは変わります。もし担任の先生がそうされないようでしたら、担任の先生にお願いしましょう。きっとしてくださるはずです。親と先生で子どもを育てたいものです。
「母がその子どもたちを養い育てるように、優しくふるまいました。」テサロニケ?2章7節