のびのびとした子を育てる生活習慣づくり(11)

先月は新しく小学校に入学する子に対して入学前に教えておいてほしいことを書きました。最後に少しだけ、子どもが学校から帰ってきた時のことを書きましたが、今月号は子どもが学校から帰ってきた時のことを書きたいと思います。
 小学校入学前には多くの子どもたちは幼稚園や保育園などで生活をしている子が多いです。しかし、これらのところでは集団生活であってもある程度自由な生活を送っています。
 しかし、小学校での生活は一変します。授業時間は決められた座席に座り自由に動き回ることができません。また、授業時間は決められ、遊びたいと思っても勝手に遊ぶことはできません。寝ころびたいと思ってもそれはできません。おしっこに行きたいと思っても我慢する場合が多いです。
 自由に遊べる休憩の時も、遊び道具を自分が独り占めしたいと思ってもそうするわけにはいきません。もっと遊びたいと思っても、授業の時間が始まると遊びを止めて教室に入らなければなりません。
 子どもたちにすれば、様々なストレスの中におかれた生活をしなければなりません。このストレスに耐えられない子は東京拒否の状況に追い込まれてしまうようなことも起こります。
 このようはストレスを耐えて子どもは学校から家に帰ってきます。この子どもを迎えるお母さんたちは、この子どもの思いを十分に分かり、そのストレスを和らげてやる必要があるのです。その一つの方法は、子どもを抱きかかえることです。
 入学後の保護者との懇談会に、わたしは是非子どもが帰ってきたら抱きかかえてあげてくださいと語りかけます。ほとんどのお母さんは「先生、子どもが小学校に入学したのになぜそんなことをするのですか」と疑問を持たれます。わたしは「小学校に入学したからするのです」と答えます。
 子どものストレスを解消する大切な一つの方法はお母さんのふところです。子どもはそのふところに抱かれるとほっとします。ストレスはいっぺんに解消します。この方法で不登校の子が喜んで学校に行くようになりました。
「そしてイエスは子どもたちを抱き、彼らの上に手を置いて祝福された。」
  マルコ10章16節