のびのびとした子を育てる生活習慣づくり(4)

 先月号では、先月は食事の時の挨拶のことば「いただきます」について述べました。これは簡単なようですが大変大切なことです。
 わたしたちの日々の生活の中で感謝することが今日少なくなっています。「ご飯を食べるから、お百姓さんの仕事が成り立っているのだ」と考えて人が多いのではないでしょうか。ある若者がこんなことを言っているのを聞いたそうです。それは「おれらがゴミを道路に捨てるから、掃除をする人の生活が成り立っている。だから、掃除をする人からこちらに感謝してもらうのが当然だ」。本当に嘆かわしい言葉です。
 わたしはバスによく乗ります。降りる時にお金を支払います。その時に「ありがとう」とひと声かけます。気持のよい時です。わたしの住んでいる地域では若い人も学生も老人も「ありがとう」と声をかける人が多くなりました。運転手さんも「ありがとう」と答えてくれます。
 このような日常生活ができれば、お互いに憎み合うことがないでしょう。もちろん殺人ということさえもなくなります。感謝の念をもつことは大切なことを親はよく分かっていますが、子どもたちは経験が乏しいため分かりません。親の責任で、親から子へ、子から孫へ伝えていく必要があるのです。これがどこかで途切れた時に破滅へ進んでしまいます。
 現在のおじいさんやおばあさんはこのことを親から実際生活で教わりました。しかし、それがその子どもにどれだけ伝わっているでしょうか。それが十分に伝わっていなければ今日の若い人たちに伝えることができません。現在のおじいさんやおばあさん、どしどしと子どもに孫によき習慣の挨拶の言葉を生活の場で伝えましょう。
 「いただきます」「おあがりなさい」「ごちそうさまでした」「よろしゅうおあがり」という言葉、各地方で独特の言い回しがあることでしょう。しかし、お互いに感謝を表すことこそ、社会生活を営むわたしたちとって欠くことのできないものではないでしょうか。
 聖書を読みますと、神様は豊かな恵みをわたしたち一人ひとりに与えてくださっています。心から神に対してはもちろんお互いに対しても感謝の念を持つものとさせていただきたいものです。
「主に感謝せよ。主はまことにいつくしみ深い。」詩篇106篇1節