のびのびとした子を育てる生活習慣づくり(3)

 先月号では、生活習慣のもっとも基本的なことの二つ目として「挨拶をする」ことの大切さをのべました。
 先月は朝の挨拶が中心でしたがまだまだ大切なものがあります。それは食事の時の言葉です。すなわち「いただきます」という言葉です。
 それは簡単なようで大変難しいものです。しかしこのことは生活習慣をつける上で大切なことです。
 この頃は個食の場合が多いようです。これではこの生活習慣は身に付きません。家族そろって食べる時にこそ子どもの身に付くものです。家族がみんな集まって食事を共にすることは、かつての時代では当たり前のことでした。
 みんなが食卓の前に集まり「いただきます」と声を合わせて言う時はなんとも言えない喜びの時でした。わたしのように、戦前、戦中、戦後を過ごした者にとっては、毎日の食事が食べられるということ、たとえそれが貧しいものであっても大変な喜びだったのです。ですから食事を残すことは考えられません。
 この頃は贅沢になり食べ残すことが平気な時代になってきていることは本当に悲しいことです。世界には食べる物がなく餓死していく子どもたちがあるというのに。わたしたちはこのことを思う時に心から「いただきます」と自分自身が言うだけでなく子どもたちにも伝えていかなければなりません。
 それと同時に大切なことは感謝の心があるかどうかです。教会学校のキャンプの時大きな声で「日々の糧を与えたもう、恵みのみ神はほむべきかな」賛美してから「いただきます」言って食事をいただきました。
 わたしは母に「お米は八十八の手を通して作られているものだよ。だからたとえ一粒でも粗末にしてはいけないよ」教えられました。わたしたちの日々いただくものは、必ず多くの手を煩わしていただくものです。それだけはなく神様の豊かな恵みの内に与えられるものです。
 このようなことは親自身よく分かっていることです。その思いを子どもたちに伝え、日々の食事の時に心から喜びをもって、神様にそして多くの方々に感謝の念をもって「いただきます」と言って食べさせたいものです。 
「喜びと真心とをもって食事をともにし、神を賛美し、すべての民に好意をもたれた。」使徒2章46〜47節