思春期を迎える子どもたち(20)

 これまで十九回にわたって思春期を迎える子どもたちのことについて述べてきましたが、この稿を最後に「思春期を迎える子どもたち」シリーズを終えたいと思います。
 思春期の子どもたちは、彼らの人生にとって大変大切な時期であり、子ども自身にとって大きな試練の時です。それだけでなく親自身が子どもと向かい合って苦しみ悩む時でもあります。できたら避けて通りたいと思うような時期でもあります。しかし、この時期を通ることによって子どもたちは大きく成長し、人間として生きる力を身につける時です。また、親自身も子どもが大きく成長する喜びの時でもあります。親が子どものこの時期を適当に済ませておれば、より大きな悩みを抱えることにもなりかねませんし、悔いを残すことにもなりかねません。
 わたしも三人の子どもが与えられました。その三人の子どもたちにもそれぞれ状況は異なりますが私自身も悩む時がありました。きっと子どもも悩む時だったでしょう。しかし、子どもと真正面から向き合い、夫婦で常に祈りつつ、神様の助けを受けつつ育てました。その根底には、神様から与えられたこの子どもたちに信仰が継承させていただきたいという強い思いがあったのです。ですから、子どもたちと共に祈るということを常日頃心がけました。すなわち、家族のつながりを大切にしたのです。
 状況は子ども一人ひとり異なるでしょう。しかし、共に祈るということはできなくても、夫婦で子どものために祈るということを欠かしてはならないものです。子どもと会話ができないような時期もある家族もあるでしょう。しかし、神様から与えられた子どもを愛して、祈っていくべきです。子どもがどれだけ反抗しても、あなたの家庭に与えられた神様からのプレゼントです。たいへん素晴らしい贈り物です。あるお母さんがわたしに語ってくださいました。「子供とは三年関会話ができませんでした。でも今は幸せです。子どものために祈ることができます」と。わたしたちも三人の子どものためにそして与えられた孫たちのために日々祈れる喜びを味わっています。
 最後にもう一度述べます。「あなたに与えられた子どもは神様からの素晴らしい贈り物です」と。
 「あなたの心を水のように、主の前に注ぎだせ。主に向かって手を差し上げ、あなたの幼子たちのために祈れ」 哀歌2章19節