思春期を迎える子どもたち(14)

 先月号からの続きです。子どもの幼少時代からやるべき課題です。
 この九月に大変悲しい出来事がありました。それは、子育てに行き詰った母親が自分の子どもを殺すという事件が起こったことです。先月号では、子育て仲間を持つことの大切さを述べました。特に思春期の子どもをもつ母親は大切なことです。ところが思春期になってからでは遅いのです。子どもがまだ幼い時から子育て仲間を親同士が持ち、子育てで困ったことだけでなく、様々な情報の交換を持つことはとても大切なことです。それだけでなく子どもの成長のために大きな役割を果たします。これは大変面倒なことかもしれませんが思春期の子どもを育てるために大切なことです。
 中学生になると、様々な子との付き合いが始まります。中には付き合ってほしくない子と仲間になることさえあります。そこでいろいろと問題を起こす場合があり、その子の親と話し合いたいと思っても、親の顔も知らない人の家に、「実はお宅の子とうちの子が…」という電話もかけにくく、親同士の連携が難しい場合も多くあります。と言って自分の子にあの子と付き合いをしないように言うわけにもいきません。
 それでも小さい時からの親同士のつながりを大事にしていると、親の気付かないわが子の外での様子も耳に入り、大事になる前に子どもとも話し合うこともでき、親同士で様々な問題を解決することができます。
 わたしの行っている教会では、「フアミリーコイノニヤ」という集まりがあります。小中学生と高校生の子どもを持たれる方が中心となり、若いお母さん方も一緒になり、また結婚していない青年たちも加わり、子どもも一緒に食事をつくり楽しい時を持ちます。牧師先生はもちろん、子どもが大きく成長した夫婦の方も加わっておしゃべりと食事の時をもちます。年に数回の集まりですが、とても意義ある時です。
 子どもを育てるということは神様から与えられた大きな務めです。子ども自身も人間関係や勉強、進路などで悩みを抱えています。もちろん親も同様です。自分だけで悩むのではなく、子育て中のお母さんはもちろん先輩のお母さんともつながりをもって育てていきたいものです。
 「見よ。子どもたちは主の賜物、胎の実は報酬である。若い時の子らはまさに勇士の手にある矢のようだ。」 詩篇127篇3節4節