思春期を迎える子どもたち(13)

 先月号からの続きです。子どもの幼少時代からやるべき課題です。
 先月号では、子育て仲間を持つことの大切さを述べました。これは大変面倒なことかもしれませんが思春期の子どもを育てるために大切なことです。
 日頃から、他の子と一緒のときのわが子の姿を知っていると、学校で何かあっても「うちの子に限って」と言わなくてすみます。なぜならば思春期は、自分一人ではやらなくても、友達と一緒だったら悪いことをやってします年齢なのです。
 わたしが六年生を担当していたときに、大変つらい経験をしました。朝早く数人の子どもたちが集まって、マラソンの練習をするというのでわたしは許可を与えました。二、三日は確かに朝六時に集まって練習をしていたようです。ところが中学生が隠しているバイクを見つけたのです。それに乗ってみようかということになったそうです。ひとりではそのようなことはしない子たちでしたが集団になるとついやってみたくなるのがこの時代の子どもたちです。そのためにいつもならば六時半には帰って朝食を食べ学校にいくのですがバイク遊びをし始めてからは帰りが七時になりました。お母さん方もおかしく思い子どもに聞いたようですが、要を得ません。お母さん同士連絡を取り合ってどうもおかしいというのでわたしに連絡をしてくださいました。わたしもまじめな子たちだったので「まさか」と思いましたが、子どもに聞いて、その事実が分かったのです。大きな事故も起こる前に解決し、事なきを得ました。
 もし親たちが子どもの様子に関心がなく、親同士のつながりがなければ大きな事故になりかねませんでした。わたしの責任問題にもなったかもしれません。
 どんなにまじめな子だったとしても、集団になると何をするか分からないのが思春期の子どもの特徴です。また、子どもの変化を敏感に感じる親であること。それと同時に子育て仲間を持つということのよさをしみじみと感じました。
 思春期の子どもを持つ親は、自分の子だけをみるようです。友達との関係や親同士のつながりをおろそかにしやすいものです。でも、そうすることによって、子どもが育つための大切なものを失っているのではないでしょうか。
 「見よ。私と、主が私に下さった子たちとは、シオンの山に住む万軍の主からのイスラエルのしるしとなり、不思議となっている。」 イザヤ8章18節