思春期を迎える子どもたち(4)

Q この頃、中学生、高校生が親や祖父母を殺すという悲しい事件が起こっています。思春期の子どもをもつ親として悩むことが多いです。この子たちに親はどう接すればいいのでしょうか。
A 先月は親の気持ちを素直に表現してあげることの大切さについて述べました。特に子どもとかかわりの多い母親がその役目を果たすことが大切でしょう。
 かつては「父親は仕事、子どもの教育は母親任せ」の時代でした。しかし、思春期の子どもの問題は難しく、このままではどうすることもできない状況です。また、若い父親たちが子育てに熱心です。仕事で時間的には忙しいものの、子どもの教育について関心があり、母親ともよく話し合っています。ところが、いつ父親の出番なのか、またどう関わったら良いのか分からない場合も多いのではないでしょうか。
 母親は子どもと多くの時間接触しているため、様々な事柄について反発することが多いものです。確かに思春期の子どもを四六時中みているといくら思春期の特徴であるとはいえ、怒りを爆発させてしまうような時が多いでしょう。そんな時に「お母さんの言うことが聞けないのなら、お父さんに叱ってもらいます」と脅かして父親を叱り役に仕立てることもないとは言えません。それでは本当の解決にはなりません。
 このような時こそ父親の出番です。母親と同じように父親は怒りを爆発させてはなりません。母親の苦労に対して感謝をし、母親の気持ちを受け止め「今日は6時半に仕事が終わるから7時に駅まで来るように伝えて」と頼み子どもと二人きりの時を持つことに努めたいものです。
 そういう時に父親は何も難しい話をするのではなく、一緒にラーメンでも食べるようなことをしてやることです。そして、自分の思春期時代のことを話し「自分らしく生きよ、そして自分の人生には責任を持つように、お父さんはいつも応援しているよ」と広い見地から子どもを見てやることです。女の子であるならば「お母さんと一緒に買い物に連れて行ってもらい」と話し母親とも楽しい時をもてるようにさせることも大切です。また、塾から帰るのが遅い時には積極的に父親としての役目を果たし、帰りはおしゃべりしながら楽しく帰るように努めたいものです。「しっかり勉強しているか」とか「試験の点数はどうか」とか評価を伴うことは何も言う必要はありません。ただ、父親はわたしの応援者であることを認識させることが何より大切です。
「父たちよ。…子どもをおこらせてはいけません。…主の教育と訓戒によって育てなさい」  エペソ 6章2節 グッドニュース2月号「母と子の相談室」より