思春期を迎える子どもたち(2)

Q この頃、中学生、高校生が親や祖父母を殺すという悲しい事件が起こっています。思春期の子どもをもつ親として悩むことが多いです。この子たちに親はどう接すればいいのでしょうか。
A 思春期の子どもをお持ちのお母さんは、よく子どもが何を考えているか分からないとおっしゃいます。確かに思春期の子どもは親が分からないことが余りにも多いです。自分が思春期を過ごした時のことを思い出しても理解できないことがあります。特にこの頃の子どもたちは中学生や高校生の教師であっても分からないことが余りにも多いそうです。
 中学生によく読まれている雑誌を少し覗き見したことがあります。全く理解できないことが多いことに気が付きました。
 思春期の子どもは外的に大きく変化します。それだけであるならば、それほど大きな問題にはなりません。しかし、内的に大きな変化があります。
 思春期の特徴の一つは、自我に目覚め、自己主張が強くなることです。これは子どもが成長するための大きな変化でしょう。いつまでも親の言いなりになっているようでは子どもは大人になることができません。
 そのため、親の考えに従うことよりも、自分で考え、自分で判断して行動をしていこうとします。だから、理屈っぽくなるのです。時には「そんなこと言わなくてもわかっとる」と言い張り、言い出したら親の考えでも妥協をしなくなります。
 また、「親の考えはよいことは分かっている。でも僕は自分なりに考えたことをしたいのだ」と、自分の考えに固守します。親は「今まではいつもわたしの言うことを聞いてくれていたのに」と不満に思われることでしょう。
 それだけでなく、子どもは「親に言っても仕方がない。どうせ文句を言われるだけだ」と思い、親と話さなくなってしまします。このような状態が、思春期を迎えた子どもたちの一つの特徴はのです。
 こんな時に親はどうすればよいのでしょうか。高圧的になると親子の断絶になりかねません。ですから、何よりも親は子どもの考えを聞いてやることです。
 親に不満をぶつけることもあるでしょう。しかし、そのことに「お母さんはあなたのことを思っているから言うのよ」など言わずに「うん、お母さんのことがそれだけに悔いの」と子どもの思いを受け止め、子どもの考えを理解してやることが大切なのです。たとえ不満があったとしても。
「愛は‥すべてをがまんし、すべてを信じ、すべてを期待し、すべてを耐え忍びます」コリント? 13章7節 グッドニュース2008年12月号「母と子の相談室」より