友だちづくりを考える(11)

 先月は、子どもによい友だち関係を作るには、子どもたちの持っているエネルギーを、思いっきり友達とともに発散させる事が、年老いても友達関係を続けさせる大切なことであるということを述べました。
 最近のニュースでは、友達同士のいじめが原因で自殺する子が多くなっている事実を報道しています。もちろんいじめはなくさなくてはいけません。確かにいじめる方が悪いということは事実です。しかし、それだけでは自殺はなくなるとはいえないと思います。
 子どもが成長して社会人になった時に、様々な困難にぶち当たる事があります。様々な人との交わる事が必要となってきます。その時に困難にぶち当たったといって、自殺するようでは困ります。今日ニートと呼ばれる若い人が多いのはそのためです。
 この原因は、子ども時代に様々な人との交わりが十分しなかったからではないでしょうか。
 友達関係を充実するためには、様々な人人と交わる事が何よりも大切です。その中で子ども同士の人間関係を豊かにしていく事が出来るのです。
 わたしたちの子ども時代には、異年齢の遊びの集団がありました。餓鬼大将がいて、様々な遊びをしました。ところが、今日は同年齢の子どもたちと触れ合う事が多いです。そこには、どうしても競争意識が芽生えてきます。年齢の違う子どもたちと触れ合う時には、幼い子どもに対しては優しい心で接し、先輩に対しては少し緊張して接する。そのような交わりを通していろいろな人間関係の持ち方を学んでいく事が出来るのです。また、様々な人々と接することによっていろいろな考え方の人がいることを学びます。さらにハンディのある人々や老人の方々との交流することによって、みんなが幸せを求めて生きることを理解し、何か役に立てる事が出来ないかと考えるようになります。そのような体験を通して、友達と共に人間として生きていくことの意味を理解できるようになっていくのです。
 このような体験によって、生きることの意味を実体験し、生きていることのすばらしさが分かるようになるのです。すなわち自分の命も他人の命も大切である事が分かっていくことが出来るのです。
「あなたがたこそ、互いに愛し合うことを神から教えられた人たちだからです。」テサロニケ? 4章9節 グッドニュース2007年5月号「母と子の相談室」より