友だちづくりを考える(8)

 先月は、子どもによい友だち関係を作るには、何よりも親が元気で子どもと接することが大切であることを述べました。子どもは親が意欲的に元気に自分に接する態度の影響を受けて、自然のうちに友だち関係が良くなり友だちも増えていくものです。
 今月は親の子どもに対するあたたかい言葉がけについて考えてみたいと思います。
 今日の子どもたちの会話を聞いているときつい会話が多いということに気づきます。平気で友だちをけなしたり、欠点を言ったりしている様子をみます。子ども同士の会話を聞いていると悲しい気持ちになることが多いです。ところで、家庭での日常の会話はどうでしょうか。わたしたちの日常で使う言葉があたたかい言葉がけがなされているでしょうか。
 まず、「ありがとう」「ごめんね」という言葉がけです。この言葉は相手を認める最も基本的な言葉です。「ありがとう」は、相手に対する感謝を表す言葉です。相手を認めていれば、素直に「ありがとう」という言葉が出ます。また、相手を認めていれば、間違ったことを言ったり、相手が傷つくような言葉を言ってしまったりしたときに「ごめんね」という言葉が自然のうちに出るものです。
 次に、「どうしたの」「よかったね」という言葉です。相手が困っている時、あるいはさびしそうな表情をしているとき思わず「どうしたの」という言葉がでるでしょうか。また、相手が喜んでいる時に自分も一緒になって喜び「よかったね」と素直に言えるでしょうか。
 三つ目には、「よくやったね」「一緒にがんばろうね」という言葉です。これらはねぎらいの言葉、励ましの言葉です。相手が一生懸命に取り組んで、なんとかがんばりぬいたその時「よくやたね」という言葉が出るでしょうか。また、うまくできなかったときに「一緒にがんばろうね」という言葉が出るでしょうか。
 親がこのような言葉が使っておれば子どもたちも自然に使えるようになります。何よりも「この頃の子ども同士の言葉が悪い」という前に、わたしたち親の言葉これでよいかどうか反省したいものです。
 あたたかい言葉がけからよい友だち関係は作り上げられます。
「知恵ある者が口にする言葉は優しく、愚かな者のくちびるはその身を滅ぼす」伝道者の書10章12節  グッドニュース2007年2月号 「母と子の相談室」より