友だちづくりを考える(7)

 先月号は子どもによい友だち関係を作るには、何よりも親が笑顔で子どもに接してくれることが大切であることを述べました。子どもはその親が自分に接する態度の影響を受けて、自然のうちに友だち関係が良くなるものです。
 今月は意欲的な子どもに育てることがよい友だち関係を育てることになることを考えてみたいと思います。
 子どもたちの遊んでいる様子を見ていますと、その遊びの中心には必ず意欲的に活動する子どもがいることにお気づきだと思います。
 遊びのリーダ的存在の子は、ほとんどの場合意欲的な子どもです。次から次へと遊びを作り出します。そしてその子の周りには多くの子どもたちが集まります。
 神戸で震災があったとき、多くの子どもたちは避難所で過ごしました。多くの場合地域の学校が避難所になり、授業もできない毎日でした。子どもにとっては退屈な日々でした。先生方は避難されている方の世話をされていました。当時6年生であった一人の女の子は何人かの友だちと話し合い、低学年の子どもたちやおじいさん、おばあさんのために紙芝居を作ろうと計画しました。先生と相談し、画用紙とクレパスをかり、紙芝居を作り始めました。最初は2,3人でしたが次第に協力する子が増え、作成する紙芝居も創作的なものが増えました。そして、退屈している低学年の子に紙芝居を見せました。おじいさんやおばあさんにも見せてあげました。
 また、別な避難所では壁新聞を作った子どもたちもいました。当時新聞にも取り上げられました。
 このように意欲的な子どもがいるがことによって友達も増え、多くの人を慰めるようなことをすることができるのです。
 意欲的な子どもを育てるには親がまず元気に子どもと接することが大切です。子どもたちは親の元気な姿に触発されて毎日の生活を明るくするだけでなく、周りの友だちを明るくしていくのです。
 もちろん教師も無気力な子どもに負けない元気さを持ち、子どもと接することが大切です。意欲的な教師の学級は自然に学習も意欲的になってきます。親もそうあって欲しいと思います。
「雄々しくあれ。心を強くせよ。すべて主を待ち望む者よ。」  詩篇31篇24節 グッドニュース2007年1月号「母と子の相談室」より