朝会の話 103   終業式 命を輝かせ

 おはようございます。
 今日は3学期の終業式であるとともに、平成6年度の修業式でもあるのです。
 この3学期は、今まで誰も経験したことのない、大きな地震に会いました。そのため、神戸市の学校はすべて混乱の中に陥りました。唐櫃小学校はまだ、被害が少なく、3月からは午後からの授業もできましたが、昨日まで一日に2時間、それも二部制でしかできない学校もありました。昨日は卒業式でしたが、自分たちの学校の講堂や体育館でできない学校もありました。また、運動場でした学校、近所の中学校でした学校など、大変くろうされています。
 また、終業式もみんな集まるところがない学校もあります。
 また、この地震のために、神戸市の小学生が108名も亡くなってしまい、みなさんのように今日の日を迎えられなかったお友達もいます。そのような中、こうして全員がそろって終業式を迎えられたということは本当にすばらしいことです。
 6年生が3学期に習った国語の教科書の中に谷川俊太郎さんの「生きる」という詩があります。これを少し読んで見ます。(詩略)
 私たちは、このような中でも今生きています。生きているということは、何よりも素晴らしいことなのです。
 この大震災で、先生は生きることの尊さをつくづく感じました。この前まで、学校に来ていた6年生のお友達に、東君がいます。東君は家がつぶれ、5時間も家の下敷きになっていたのです。沢山の小学生がそれだけではなく、沢山の人たちがそのような中で助け出されました。大怪我をした人もありました。命が残ったのです。
 この尊い命、生きているということそれを本当に大切にしましょう。
 この春休み、あなたのたった一つしかない命を輝かしましょう。いっぱい本を読むのもよいでしょう。家の手伝いをするのもよいでしょう。また、家の片付けでもよいでしょう。家が壊れてしまって苦しい生活をされいるお年寄りのお世話をすることもよいでしょう。要するに、今生きていることに喜びを感じて一日一日を過ごしてください。たった一つしかない命です。
 先生の教えたこの一人に、本多君という人がいます。この子は今年高等学校を卒業しました。本多君は小学生の時に、次のような日記を書いてくれました。
「僕には兄と姉がいました。しかし、小さい時に病気でなくなってしまいました。そして僕だけになりました。僕も余り体は丈夫ではありません。でも、お父さんとお母さんは僕をここまで大きく守ってくれました。お母さんも病気がちです。でも僕はお母さんやお父さんにいっぱい感謝したいです。体に気をつけて大きくなり、いつまでもお母さんやお父さんに感謝をしていきたいと思います。僕はどんな事があっても頑張って生きます。自分の体を大切にして、からだを丈夫にします。自分の命を大切にします。お兄さんやお姉さんの分まで頑張って生きます。」
 みなさん、どうか、あなたの命をいっぱいに輝かした日々を送ってください。
 これで先生の話を終わります。1995年3月25日