友だちづくりを考える(5)

 今までに述べてきましたように、子どもの成長にとって友だち関係は極めて重要なことです。
 ところが現実はなかなか難しい原因が多くあります。子どもの数が少ない、地域の中で遊ぶ場所がない、また、遊ぶ友達もいない、遊ぶ時間がないなど難しい面があります。
 まだ、小学生時代は学校教育の中で様々な指導を通して子どもたちの友だち関係を深めるように指導されています。しかし、真の友だちをもてない子は、成長するに従って閉じこもりになってしまいます。その閉じこもりが、様々な問題を引き起こすことになることが余りにも多いです。何とかして幼少期によい友だち関係を作る必要があります。幼少期に培ったその力は、たとえ成長しても変ることがありません。
 そのためには、何よりも、子どもたちの心に愛を育てなければなりません。そのためには、わたしたち大人の愛が何より必要なことです。愛というと抽象的で分かりにくいと思いますが、端的にいえば温もりです。
 親が「あんたみたいな子は、お母さん大嫌い。あんたを産まなければよかった」という言葉全くの言ったならない言葉であり、子どもは逆に親に逆らってきます。親はは励ましよう思って、言ったかもしれませんが、子どもにとっては励ましどころか逆な思いになるのです。
 親が「あなたのような子どもをわたしが産んで、本当に幸せよ」と言える親でありたいと思います。たとえ、親を困らす子どもであったとしても、この言葉を忘れ去ってはだめです。
 どのような子どもであっても、子ども一人ひとりはかけがいのない存在です。どのような子どもであっても、神様からさずけられた尊い存在です。そして生きている今の時がかけがいのないものです。その子と時を共有することは何よりも幸せと思い、どのような子どもであったとしてもその子をまるごと認め、味方になってあげようと対応していく時、子どもは親の暖かい愛を感じ、自らも愛を育むのです。
 親は既成概念にとらわれやすいです。不登校になった子どもであってもそれを受け入れることからスタートするべきです。
聖書のルカの福音書15章11節以下にあるように放蕩息子の親の態度を学びたいです。グッドニュース2006年11月号「母と子の相談室」より