友だちづくりを考える(3)

 少し古い雑誌ですがこんな子どもが友だちに好かれると書いてありました。少し書き出してみます。
? 冷たい心ではなく暖かい心の持ち主
? 他人を拒絶するより、受け入れてくれる人
? 虚飾が多い人でなく、飾り気のない率直にふるまえる人
? 持ってまわった言い方や策謀をめぐらすより、あるがままに見せられる人
? 感受性のある人で、他人を思いやれる人
? 趣味を持っていて、人生の味わいを深められる人
? ギスギスしていなくて、ゆとりのある人
? ユーモアの持ち主
? 快活で行動的な人
? やさしく、好意的に見てくれる人
 よく見てみると、これは子どもだけでなく大人にとっても同じことだと感じます。しかし、今日の大人だけでなく、子どもたちにもこのような子が大変少ないように感じます。わたしが担任をしていた頃、今から20年も前のことですが、このような子どもが学級に2,3人はいました。やはりこのような子のまわりには友だちがよくあつまります。
 なぜ、このような子が大変少なくなったのでしょうか。何か原因があるようです。バスや電車の中で中学生や高校生などをよくみます。仲のよい友だちかなあと思っていると、そうではなく、いじめあっているのです。次の駅で降りる子のかばんを取り上げ、降ろさないようにしているのです。そして周りの人に不快な思いをさせているのです。仲間であるはずの人たちが、いじめあったり、ひどい時には殺したりしている事件を聞くたびに悲しい思いをします。子どもを教育するために勉強している大学生が仲間を殺すという事件もありました。
 わたしが担任している時には子どもや、親に、また管理職になってからも先生方にもよく語っていた聖書のみことばがあります。それはコリント?4章18節「見えるものは一時的であり、見えないものはいつまでも続くからです」の言葉です。
 現在わたしたち親だけでなく社会全体が、見えるものばかりに力を注ぎ出しているのではないでしょうか。学力も大切ですが、もっともっと大切にするものを忘れているのではないでしょうか。    グッドニュース2006年9月号「母と子の相談室」より