友だちづくりを考える(1)

 子どもを育てる上において友だちがあることが大切です。しかし。この頃の子どもたちの友だち関係はさまざまな問題があります。真の友だち関係がありません。
 他人のことを考えることによって思いやりとか気配りなどが育ち、子どもの一生を送って行く過程で、他人とのかかわりを浴することが大切なことであるということは言うまでもありません、
 思いやりや気配りはなかなか育つことはできません。人間には、たとえ子どもといえども要求や欲望が少なからず自己中心的に働きやすいものです。子どもにとっては他人をおしのけて自分の欲や都合を優先ししょうとする気持ちが働きやすい者です。そのことは人間の本性と考えられるかもしれませんが、何か後天的な条件によってその違いが生まれるのではないでしょうか。
 わたしの教え子に、何よりも他人のことをまず先に考える子がいました。
 そのお母さんは、子どもが家を出るとき、「いってらっしゃい」と共に必ず「困っている子がいたらその子のことを考えなさい」と言われるのです。
 その子は何よりも先に困っている子を先に考えます。その子は自分のことより他人のことを考えて行動しました。
 担任のわたしが先に自分のことをすればいいのになあと思うぐらい、でのことを考えます。この子は幼いときから母親に教えられていたのでしょう。
 その子の周りにはたくさんの友だちがいました。自然のうちに集まってきます。自分がリーダーになるより、みんなの意見を聞いてまとめ、一緒になって遊びます。その子の周りには自然に友だちが集まります。
 それとは逆に自分がまず先に何でもする子がいました。ドッチボールも一番先にとり他人に貸そうとはしません。「みんなでそのボールで遊ぼうや」と言っても知らん顔で一人でボールをもってあそんでいます。自然とその子の周りには友達は集まりません。一人ぼっちです。
 友だち作りの第一歩は人の気持ちを思うところから始まります。
 子どもの友だち作りを考える時に、何よりも、自己中心的な気持ちを捨てることです。そのためには母親の幼い時からの一言が大切です。
 「私たちは愛しています。神がまず、私たちを愛してくださったからです。」(ヨハネ第一4章19節)  グッドニュース2006年6月号「母と子の相談室」より