子供の熱中していることを応援する

 
中学生に「今、燃えているものは何か」と聞くとほとんどの場合は、「部活動」と答えます。もちろん勉学に熱中している子、さまざまな趣味の世界に走っている場合もあるでしょう。何であれ、目標に向かって挑戦している子どもの姿は美しいものです。
 親として、この子どもが熱中していることを肯定的に受け止めている場合と、いささか否定的に眺めている場合があります。子どもにしてみれば、そのことに興味があって、好きで熱中しているのだから、親の価値観など全く気にしてはいません。
 無気力で意欲のない子どもが多い時代、何であれ熱中できるものを見つけている子どもは本当に幸せです。
 親が、肯定的に受け止めている場合には親と子の関係がうまくいっており、親と子のいい関係がつくられています。親と子の会話も弾みます。また、仮に子どもが失敗して沈んでいる時でも、何気ない会話の中に励ましの言葉があり、子ども自身がその失敗を乗り越え、新しい自分を作り出すことでしょう。
 ところが、親が子どもの熱中していることに対して否定的に受け止めている場合、子どもが熱中していることを親は心から応援できないものです。だから、成績は下がる一方だし、親に対して反抗的になるし、耳も貸そうともしなくなります。それでは何の解決にもなりません。
 何よりもまず、子どもが熱中していることを受け止めとやることが大切です。そのためには、親は子どもが熱中している姿をそっと見てやってほしいものです。そこには、普段、家庭で見せない子どもの明るく伸びやかな姿を見ることでしょう。そして、子どもの熱中しているものに、はじめて共感していくでしょう。
 次に、子どもを熱中していることを認め、励ましてほしいものです。きっとそこから、子どもとの会話も増え、子ども自身が成長していく大きな力となるはずです。
 そして、子どもが熱中していることに溶け込んでみたいものです。そこから、心から子どもを応援することができます。そうして自然のうちに親子関係があたたかいものになっていきます。
「多くの証人たちが、雲のように私たちを取り巻いている。」 ヘブル書12章1節 グッドニュース2002年7月号「母と子の相談室」より