朝会の話 70 1学期始業式 三つのお願い

 おはようございます。
 寒い冬の間、じっと頑張って春の来る日を待っていた、桜のつぼみもふくらみ、皆さんの進級を心から祝ってくれています。きっと入学式の日にはきれいな花を咲かせてくれることでしょう。
 このように、自然が私たちの進級を心より祝ってくれる春に、新しい学年が始まるということは、とても素晴らしいことです。
 今日から新しい学年が始まります。新しい1年生を迎えて、今までの1年生は2年生に、2年生は3年生に、それぞれ学年が一つづつ大きくなります。
 始業式にあたって、私は三つのお願いをしたいと思います。
 お願いの一つ目は、友達を好きになろうということです。
 お父さんやお母さんや先生は、皆さんより先に生まれました。どんなに長生きをしても、皆さんより早くこの世を去るでしょう。ところが友達はどうでしょう。これから先、一番頼りになる人です。この頃は兄弟姉妹の数がぐっと少なくなり一軒に一人か二人、多くても三人です。皆さんの回りには、沢山の友達がいます。小学校の時の友達は一生の宝です。
 3月にこの唐櫃小学校を40年前に卒業した人たちの会に行きました。全員は集まることはできませんでしたが、半分以上の人が集まりました。小学校の時に呼び合った名前でいろいろな思いで話をしていました。先生は、つくづく小学校の時の友達はすばらしいなあと思いました。
 お願いの二つ目は、先生を好きになろうということです。
 先も話しましたように、唐櫃小学校を40年前に卒業した人たちの会に、教えていただいた先生も3人こられていました。その先生のいろいろな思いで話が飛び出しました。先生にひどく叱られたことも話にでました。ある人が「ぼくは先生にあるときひどく叱られました。頬をひどくたたかれました。廊下に立たせられたこともありました。その時は、先生はなぜぼくをよく叱るのか、いやだなあと思ったこともありました。でも、大きくなってから、あの時はぼくの曲がりかけた根性を真っ直ぐさせてくださったのだなあということが分かりました。先生本当にありがとうございました。」と話をされていました。
 皆さんの先生は、皆さんが教えられたことを分かってくれた時、とても幸福な気持ちになります。どの先生も皆さんが優しい心や思いやりのある心でいっぱいになって欲しいと心から願っています。反対に、意地悪な心や、友達をいじめるような心になった時は、とても悲しくて仕方がないのです。このような先生を心から好きにまって欲しいです。
 最後の三つ目のお願いは、学校を好きになろうということです。
 昨日、目が見えない中学1年生のさおりちゃんが長い間の願いであった、みんなと同じ中学校に行けるようになったニュースがテレビで放送していました。小学校の時はいろいろな事情で行けませんでした。でも何度も何度も校長先生や教育委員会に「私はみんなと同じ学校に行きたいのです。目が見えなくても、一人で学校に行けるように練習しました。私は学校が大好きなのです。」と頼みました。やっとその願いがかなった時、先生もとてもうれしく思いました。学校が好きであることは、ほんとうに素晴らしいことです。
 春休みに入ってから私は先生方と、皆さんが学校が好きになるようどのようにすればよいのか、いろいろ相談しました。そうして、いろいろ工夫して楽しい学校を、楽しい学級を作っていこうと話し合いました。どうか皆さんも学校を好きになってほしいと思います。
この4月には、唐櫃小学校に40名のお友達がかわってきました。神戸市内だけではありません。大阪からも明石からも西宮からも転入してきました。これらのお友達と一緒になって、この1年間、先生の三つのお願い友達、先生、学校が大好きな人になってください。
 これで先生の三つのお願いのお話を終わります。1994年4月8日