共に悩みを共有して


小学生の高学年から中学生にかけては親と子の関係が大変難しくなる時期です。 私自身も、子どもが中学生の時期には大変悩みました。この悩みは親だけでなく子どもも同じように悩んでいたのだなと、今となってつくづく感じます。
 中学生の時期の子どもは、次のような特徴があります。
・ ある程度自主的に考え、行動することができるようになるが、反面、自分の判断に自信がもてず、周囲の思惑を気にして、他人の言動に左右される。
・ 自我意識が強くなり、自分の判断や意志で生きていこうとする意欲が旺盛になる。そのために、今までの生活に疑問を抱き、父母や祖父母の言動やしつけに反抗的になりがちである。ちょっとした叱責が、自分のすべてを否定するかのように思え、反抗したい気持ちが強くなる。
・ 世代の開きによる、ものの考え方や価値観の違いを強く意識するようになる一方、同世代によき理解者を求め、心の底から打ち明けて話せる友人を得たいという気持ちが強くなる。
 このように中学生の子どもは、内からの悩みをもっているのです。
 目の前にいる子どもについては親が一番よく分かっていなければならないのに、このような子どもの悩みを聞くことができないのでしょうか。それは、親の思いの中に、中学生は難しいという思いがあり、何か変だなあと思っても、一歩勇気を出して聞くことに躊躇したり遠慮したりしてしまう傾向があるのではないでしょうか。
 確かに、中学生を子どもにもつ親たちの中には「どんな言葉がけをしたらよいのかわからない」という方もおられるでしょう。それだからこそ、共に悩みを共有しながら育つことを心がけてほしいのです。
 そのためには、次の三つのことを留意してほしいのです。
? 母(父)としてこう思う、といった一人称で聞くこと
? 子どもの立場を真っ向から否定するような言葉を遣わない
? 過去のことを取り出して聞くことよりも、まず、今のことを中心に話題づくりをする
「すべて、疲れた人重荷を負っている人は、わたしのところに来なさい。」マタイ18章28節 グッドニュース2002年6月号「母と子の相談室」より