自然な生活の中で学ぶ

 
最近、小学校への入学の準備はもとより幼稚園の入園準備も加わり、早期教育をはじめる子どもの年齢も二歳では遅いとまで言われています。
 どのくらいの子どもが実際に習い事に行っているか全国的な調査はありませんが、民間や大学での調査によれば、習い事をしている子どもは、一つ以上複数のものを習い、回数も週一回以上なっていることが多いようです。その結果、毎日のように習い事があり、友だちと遊ぶ時間がない子どもが多いようです。
 幼児の習い事はほとんどの場合、母親の一方的な考えを、子どもに押しつけているようです。一人が一つぐらいの習い事を週に一回ぐらいならば、子どもが好きでやっている場合は問題にならないようですが、親のたてた計画に子どもが振り回されているとき、親子関係がうまくいかない場合が多いです。それだけでなく、早期教育が子どもから遊びを奪いとってしまうことが大きな問題なのです。
 子どもは、友だちと遊ぶことによって、身体、運動、社会性、情操、知的能力、創造性など、あらゆる部分の発達に影響を受けているのです。
 子どもは遊びの中で、多くのことを発見したり、学んだり知ったりしていきます。例えば、砂場で川を作り、水を流そうとするとき、一度に流してしまうと横に溢れてしまったり、川の両側が崩れてしまったりします。これを何度も何度も繰り返していくうちに、上手に流すにはどうすればよいか気が付きます。子どもは自分で経験したことは忘れません。
 また、遊びをしていきながら、友だちとけんかをしていくこともあります。しかし、遊びの中でどうしたら仲良く遊べるのかもだんだんと気が付いていきます。
 それだけではありません。親が子ども自身の遊びを認めてやることによって、子どもも安心感をもって親と接し、親子関係が自然とうまくいくようになります。
 とくに、きょうだいの少ない今日の子どもにとっては、友だちと遊ぶことが子どもの成長に欠くことができません。
「そこには楽しみと喜び、感謝と歌声とある。」 イザヤ書51章3節 2001年10月グッドニュース10月号「母と子の相談室」より