朝会の話 60 クリスマスの思い出

 
 おはようございます。
 今週の土曜日24日はクリスマスイブ、サンタクロ−スのブレゼントが楽しみの子もいますね。
 先生が1年生を担任していた時に、ある子が日記にこんなことを書いていました。
「私は、クリスマスにサンタクロ−スからかわいい筆箱をもらいました。妹はお人形をもらいました。ずっと前から欲しいと思っていたものです。私も妹も喜びました。でも、お父さんにもお母さんにもサンタクロ−スから何ももらいませんでした。先生、なぜお父さんやお母さんにサンタクロ−スはブレゼントを上げないのですか。また、なぜサンタクロ−スは私の欲しい物を知っているのですか。」
 こんなことを書いていました。先生はその日記にこんな返事を書きました。「あのね、お父さんもお母さんは、自分の物はなくてもいいから、大切な子供にあげてくださいとサンタクロ−スに頼んだからなんだよ、だから、お父さんやお母さんにはないのだよ。また、洋子ちゃんや妹の欲しい物が分かる人だけがサンタクロ−スになれるのだよ。」
 先生が子供のころにこんなことをお父さんに尋ねました。それは「サンタクロ−スって昔からずっといるのでしょ。どうして死なないの。」するとお父さんは「サンタクロ−スも年を取ったら死んでしまうよ。でも、そのサンタクロ−スの子供も、そのまた子供もサンタクロ−スになったんだよ。」と教えてくれました。先生は、その時「うんん、そうかな」と思いました。大人になって、やっとその意味がよく分かりました。
 クリスマスには、いろいろな思い出が沢山ありますが、その中でも忘れられない話があります。それはこんな話です。
 今から、60年程前の話です。イギリスとドイツが戦争をしていたときの話です。ちょうど12月24日の夜クリスマスイブの時です。ドイツもイギリスの軍隊も向かい合って鉄砲で撃ち合っていました。その時どこからともなくクリスマスの歌が聞こえて来たのです。(テープで流す)
  「Silet night, Holy night, All is calm, All is bright,
   Round you Virgin Mother and Child,
   Holy infant so tender and mild,
   Sleep in heavenly peace, Sleep in heavenly peace.」
 一人の人の歌声でした。ところが、それが二人、三人になってきました。知らぬ間に、鉄砲の音は消えてしまいました。そして、英語だけでなく。ドイツ語の歌声も聞こえてきたのです。もうその時は、敵も味方もありません。銃を捨てて、みんな集まって来たのです。
 その夜は、戦争をしていることを忘れてしまって、一晩中クリスマスソングを歌い続けたそうです。
 そのことがきっかけとなって、クリスマスには戦争をやめようという制度が生まれたそうです。
 クリスマスにはブレゼントをもらうとか、おいしいクリスマスケ−キを食べるという楽しいこともありますが、もっと他の意味もあるのです。
 今日はクリスマスの思い出という話でした。1993年12月19日