いじめ 三


 いじめをなくするためにはどうしても家庭が果たす役割があります。
一 家庭の責任を果たす
 現在、様々な事情から親自身が生きる目標を見失ったり、子どもとのふれあいを軽視したり、子どもに対して放任・過保護・過干渉的な態度で接する家庭が多くなってきています。その結果、今日、思いやりや他人の痛みが分かる心、善悪の判断力が欠如し、人格形成の面で多くの課題を抱えた子どもが増加してきています。このような傾向がいじめ問題の一つの背景になっています。
 子どもの幸福を願うならば、今一度、家庭教育の重要性を再認識し、親自身の生き方と価値観を見直すとともに、自分の子どもを見つめ人格形成に関する家庭の責任を果たす必要があります。
二 父親の正しい認識
 最近、父親の中には子どもの教育は母親に任せているという理由から、いじめ問題に積極的に関わろうとしない人が多いようです。また、前にも書いたように「昔からあった。騒ぐことはない。」と呑気に考えている人が意外に多く、今日のいじめの特質を正しく認識している父親はそれほど多くないようです。 家庭がいじめ問題に関して本来の教育的機能を果たすためには、まず父親がいじめ問題について関心をもち、正しい認識が得られるよう努力する必要があります。
三 子どもの心が安らぐ家庭づくり
 学校では子どものよさを認め、それを生かすようにする教育活動を展開しています。その趣旨を家庭教育にも生かすことが大切です。また、家庭の実情に応じ、父親も子どもが精神的に安定し意欲的に生きる家庭づくりに積極的に参加していくようにしてほしいです。
 そのためのポイントをあげてみます。
1 子どものもち味や個性を認めていくこと
2 子どもを単一の尺度だけで評価せず、広く大きな視野から成長を見守ること
3 子どもと話し合う時間や行動する機会をもつこと
4 子どもの日常生活に関心をもち、十分に目を配ること
5 子どもに出番を用意し、適切な役割と責任をもたせることによって、存在感を味あわせること
 親自身が自分自身の生き方と価値観を見直すために、ぜひ、聖書を読んだり、教会の集会に参加することをお薦めいたします。また、子どもの集まりもあります。中学生・高校生を中心にした集まりもあります。それにも参加させることも大きな力となります。