勉強がいやになってしまった子 1

 低学年の子は、勉強が大好きです。特に一年生の子は勉強が楽しくてたまらないという気持ちでいっぱいです。
 親もこの子どもの気持ちを大切にしてほめたり、声をかけたりして子どもを励ましています。そういう中で子どもはすくすくと勉強好きな子として成長していきます。
 また、テストの結果を持って帰ってきても満点に近い点をもって帰ってくるので、親はにこやかな笑顔で「よくできたね。」と子どもを迎えます。この笑顔がうれしく子どもはまた張り切って勉強に頑張るのです。
 ところが、中高学年になるとそうはいきません。
 低学年では、学習の基本的な内容を完全に理解していくのが学習のねらいです。ですから、全員の子どもが完全に理解していて当たり前なのです。しかし、中学年になると低学年に会得した技能や知識を基にして様々な問題を解決していく力を育成していくのが学習のねらいになってきます。ですからテスト問題も難しくなり、低学年以上に勉強に力を入れていても、低学年のように親が喜ぶような点はそう簡単に取れなくなります。
 それでけではなく、問題が難しくなっていることを知らない親は「あんたは、一年生や二年生の時はいつも満点をとってきていたのにこんな調子ではだめじゃないの。」と叱責の言葉を言います。
 この親の言葉で子どもは勉強に対する意欲を完全に失ってしまいます。これではますます勉強嫌いになり、意欲も失ってしまいます。
 中学年の時期は子どもに無関心な親が多く、高学年になってあわててしまう場合が多いです。
 親は、中学年の時期にこそ一年生の時のように子どもを受け止め、もっと子どもに関心をもち、子どもの意欲を高めていくようにしていくべきでしょう。
「あなたがたは、これらの小さい者のひとりをも軽んじないように、気をつけなさい。」マタイによる福音書第18章10節